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過去の新着情報

(2011年3月)                                                     
一人遣い伝統人形芝居の魅力を発信
徳島で一人遣い伝統人形大芝居公演・・・ご来場の皆さまありがとうございました!
ご来場頂いた皆様と出演者が、東北・関東大震災で被災された方にお見舞いを申しあげるとともに、
チケット代金の中から義援金をおくることを申し合わせたことをお伝えいたします。
今後本会としましても、チャリティ公演を企画し、被災者への支援に取り組もうと協議しています。
詳細が決まりましたら、本ホームページでお知らせいたします。
3月12日・13日の二日間、あわぎんホール5階小ホールで「一人遣い伝統人形大芝居」を開催しました。
西畑人形芝居「朝日若輝一座」と八王子車人形「西川古柳座」、阿波木偶箱廻しを復活する会に加えて、
大分県中津市の北原人形も応援に駆けつけてくれました。
両日大入りで、一人遣いの伝統人形芝居を堪能して頂きました。

    
三番叟まわしてこまる大夫の「不如帰」車人形と北原人形のジョイント
地唄舞「ゆき」見せ場の蛇のと絡みスパニッシュダンス西畑人形朝日若輝さん

一人遣い伝統人形大芝居(写真速報)
3月12日・13日のスナップを一部お届けします。
「二人三番叟」一人操りの解説「ゆき」
「二人三番叟」(12日・西川古柳座)古柳さんの解説  地唄舞「ゆき」(12日・西川古柳)
「日高川」「日高川」やがて鬼へと
「日高川入相花王」(13日・西川古柳座)
お七と吉三処刑場へ連れられるお七浪子にすがりつく弟妹父に連れられる浪子
からくり節「八百屋お七」(12日・阿波木偶箱廻しを復活する会)「不如帰」(13日・阿波木偶箱廻しを復活する会)  
箱廻し「傾城阿波の鳴門」箱廻し「絵本太閤記」
箱廻し
(12日・13日・阿波木偶箱廻しを復活する会)
「一条戻り橋」太刀を自在に操る「岩見重太郎の多蛇退治」見せ場の多蛇退治
「一条戻り橋」(12日・朝日若輝一座)  「岩見重太郎の大蛇退治」(13日・朝日若輝一座)
乙女文楽の方法を取り入れ自在に操る華麗なフラメンコ華麗なフィニッシュ
  「フラメンコ」 (西川古柳)
出演者総出のフィナーレ
  フィナーレ(13日)


 

山下菊二コラージュ展に行ってみよう

菊二の「狭山事件」と鎌倉で出会えます。お見逃しないように!

場所:神奈川県立近代美術館鎌倉別館(鎌倉市雪ノ下281

期間:201118日~327 日開館時間:9301700   休館日:月曜日    

入館料金: 一般250円  20歳未満と学生150円  65歳以上と高校生100

(2011年1月~2月)
 一人遣い伝統人形大芝居開催まじかです
 本会は、おなじみの「三番叟まわし」や「箱廻し」に加えて「お座敷木偶(碁盤人形)」をからくり節にのせて操ります。
              

行者野の座敷木偶の一部 「お七」と「不如帰」に使う木偶

「受け継がれてゆく伝統人形芝居IN三木」で、西川古柳さんと朝日若輝さんを取材しました。一部を写真で紹介します。(2・13)


 中内さんたちの取り組みを応援して下さい!
   
  一人遣い 伝統人形芝居
 徳島公演決定
  プロの人形芝居をお楽しみください。

  
と き:2011年3月12日(土)・13日(日) ところ:あわぎんホール(郷土文化会館)5階小ホール
 
主催:NPO法人阿波の門付け芸保存会 共催:芝原生活文化研究所・阿波木偶箱廻しを復活する会
 
出 演

八王子車人形(「二人三番叟」・地唄舞い「ゆき」・「フラメンコ」他)
 車人形は、江戸時代末期に関東武蔵国で考案された一人遣いの人形芝居。
 ろくろ車に座り一人で人形を遣う。他の人形芝居とは違い、人形の足が直接舞台を踏むことが可能なため、
五代目家元が乙女人形にヒントを得て考案した「フラメンコ」のように力強くテンポの速い外題も自在に
演じることができる。(国選択無形民俗文化財、東京都指定無形文化財)

 八王子車人形五代目家元 西川古柳 他
 八王子に160年以上続く伝統人形芝居「八王子車人形」の五代目家元。幼少より祖父(三代目)父(四代目)
から指導を受けた後、23歳で文楽研修生となり三人遣いを学ぶ。1996年に五代目西川古柳を襲名。

現在の活動は世界各地に及ぶ。日本各地での伝統人形芝居の指導や、「受け継がれていく伝統人形芝居」
を主催して伝統人形芝居の普及活動に取り組む。

*主な受賞歴* 1994年 芸術祭賞(演芸部門)2000年 ウルグアイ演劇祭 フローレンシオ賞(外国演劇部門特別賞)
        2006
年  八王子市文化功労賞
西畑人形芝居(「一条戻り橋」・「岩見重太郎の大蛇退治」)
 明治初期に高知県西畑(高知市春野町)で始められた人形芝居。
「西畑のデコ芝居」と親しまれた。人形は一体一人遣いで、人形の頭に指を差し込み手は棒で遣う。
人気外題の「
岩見重太郎の大蛇退治」では、重太郎と大蛇の大立ちまわりが見せ場。
 西畑人形芝居三代目 朝日若輝 
 19519月に西畑人形節劇朝日若輝一座に入門し、全国各地の旅回りで修行する。
人形芝居が映画産業の発展に伴い衰退する中、小学校回りなどを行い座の存続に努めるが座は解散。
1971
9月、故川尻泰司の助力を受けて
「人形劇場たけのこ」を旗揚げする。
 現在、香川県で「讃州木偶塾」を主宰して後進の指導に努めながら、世界各地で活躍している。
1997
年に三代目朝日若輝を襲名。人形
遣い60年、日本を代表する人形劇人の一人。
*主な受賞歴* 2007年 第6回むらの伝統文化顕彰 ㈶都市農村漁村交流活性化機構理事長賞

阿波木偶箱廻し(「三番叟まわし」・箱廻し「太功記」・からくり節「お七」他)
 徳島県独特の人形芝居。祝福芸の「三番叟まわし」は、正月の門付け芸として、江戸時代から継承されている。
「無病息災」「家内安全」「商売繁盛」「五穀豊穣」などを予祝する。
また、箱廻しは舞台の人気外題を道路や農家の庭先で演じた大道の人形
芝居。全国各地の人形芝居に影響を与えた
と言われている。
現在は、阿波木偶箱廻しを復活する会によって伝承されている。
 阿波木偶箱廻しを復活する会 二代目代表中内正子 他
 1995年に、数人の若者が徳島県西部の伝承者に弟子入りし、技術を学ぶ。
2002
年から正月の門付けを受け継ぎ、現在は約900軒の家に福を運んでいる。第22回国民文化祭(徳島)
ではオープニングを飾る。また、日本各地での公演や海外公演でも高い評価を得ている。
2007年にNPO法人阿波の門付け芸保存会を立ちあげる。
収集した「阿波木偶の門付け用具」が国登録有形民俗文化財となる。

*主な受賞歴* 2006年 徳島新聞賞「文化賞」2009年 ユネスコ・アジア文化センター「ACCU賞」
            2009年 徳島県「阿波文化創造賞」 
ポスター B2配布用チラシ A4


*門付けスナップの一部を紹介します。
雪道を歩いて福を届けます。元旦から旧正月明けまで、正月神を背負って歩き続けました。(スナップの一部です)

正月棚に餅花飾り        ハウスを祈祷し御幣を       蓮もメダカも氷の下です    屋敷神に三番叟を奉納     

(2010年11月~12月)

文化の秋本番
         熱と光の館で

 11月3日、滋賀県草津市の橋岡会館「熱と光りの館」で開催された子どもの学力向上研修会(文化祭)は、
心温まる集会でした。子どもから大人までが同じステージで研究成果を発表しました。屋外では、近隣住民を
交えての交流が持たれました。私たちも、徳島のムラの食文化「ひっかりゾウスイ」を作り来場者に振る舞いました。
約100人分のゾウスイは、瞬く間に無くなりました。もう一鍋用意すべきでした。模擬店も多様で、にぎやかな一日でした。

ひっかりゾウスイを振る舞う模擬店に多くの住民が参加舞台公演を終えて、屋外で木偶体験


         狭山現調事務所を訪問
 11月13日、埼玉県越生町中央公民館で開催された、「入間郡市人権フェスティバル」で講演しました。
全日に狭山入りし、狭山現地調査事務所を訪ねました。芝原生活文化学級生が贈った寄せ書きなどが展示されていました。
無実を叫び続ける石川一雄さんご夫妻の生きざまは、今や多くの市民に勇気を与える存在になっています。私たちは、
1日も早い再審開始を願っています。仲間たちは、緑の狭山バッジを付けて人形を遣っています。最近、そのことに気づいて
くださる方が多くなりました。支援の輪は確実に広がっていると感じます。

狭山現調事務所万年筆が発見されたかもい。芝原生活文化学級生が送った寄せ書き

 越生町を会場に開催された人権フェスティバルには、特別の思いを持って臨みました。会場は立ち見が出るほどの
参加者で溢れました。徳島の先輩である石川早智子さんや関東各地の研究者の方々も駆けつけてくださいました。
埼玉県は、群馬・長野・東京を結ぶシルクロードの交差点。江戸期から明治期には多くの人形座が存在していたようです。
主催者のご配慮で、越生町に遺された木偶を拝見することが出来ました。阿波の箱廻し芸人が通った街道に花咲いていた
人形文化に興味津々です。山梨追分・八王子・秩父・越生~群馬へと続く道は、箱廻しが歩いた道で、私たちの研究対象です。

町に遺る木偶十次郎に使用された木偶か講演前にロビーで即席の木偶体験

         魂を描く
 11月20日、兵庫県淡路市北淡センターで開催された、「人権文化を楽しむ集い」で、絵本作家の田島征彦さんと
共演しました。住井すゑさんと共同作品の「ピーマン大王」は、昔から親しんだ絵本でした。田島さんのスライド
読み聞かせの後に講演させていただきましたが、準備もそこそこに席に座り込み田島ワールドを堪能しました。
講演後にサインを頂戴しました。解放新聞2011年新年号の表紙を担当するそうです。もう数回担当したとのこと。
私たちのムラの「ひっかりゾウスイ」も紹介されます。新年後をお楽しみに。
この集いの担当者の熱い思いにも感服しました。呼んでいただきありがとうございました。

「はじめてふったゆき」を朗読する田島さんサインも素敵な田島征彦さん記念写真をおねだり

         人権の花が
 11月21日、吉野川市美郷の種野小学校で開催された「美郷地区人権教育推進大会」で講演しました。
平成大合併は、市民生活を大きく変えています。この町は旧美郷村でしたが、村から中学校が消えてしまいました。
同和教育を中心とした人権学習を熱心に取り組んだ中学校でした。私の先輩や友人も務めた美郷中学校は休校。
主を失った校舎前の花壇に「人権の花」がしっかりと咲いていたのですが…。ただ一つ残った小学校の児童が、
ハンセン病元患者との交流を通して学んだことをしっかりと報告してくれました。
 この村は、県下一の蛍生息地で有名です。豊かな自然を誇りとして世界に発信してください。

廃校になった花壇に咲く「人権の花」小学生の発表(ハンセン病元患者との交流)子供伝承教室で、木偶文化を楽しむ

         えびすと三番叟を語る
 11月21日、十郎兵衛屋敷で開催された、「阿波のえべっさんと三番叟の可能性」についてのシンポジウムに参加しました。
復活する会も、「えびす・大黒まわし」や「三番叟まわし」の門付け芸を実演しました。人々の暮らしの節目に、生活展望や
豊作・豊漁を予祝する恵比寿さんは人気者です。商店街や漁協の関係者も期待しています。舞台以外でも自在に活躍するのが
えびすさんの本領と考えます。神事でもイベントでも引っ張りだこで、必ず喜んでいただけるのがえべっさんなんです。

門付け「えびす・大黒」「三番叟まわし」シンポジウム

         能楽堂で
 11月26日、大分市の三会場で講演。(旭町文化センター・能楽堂・稙田公民館)
大分市の先輩(故人)が企画してくださった三講演でした。私たちも性根を入れて演じ、語りきりました。
特に能楽堂での実演は、空間を活かしながら(幕や仕掛けを多用せず)演じました。私たちを応援してくださる
方々のご配慮が身に沁みた三日間でした。ただ、辻本が急に鼻声に(風邪?)なり回りはあたふた…。
旭町文化センターで能楽堂の舞台で稙田公民館で

         次世代に伝える
 徳島市立国府小学校・阿南市立大野小学校・東みよし町立三加茂中学校で、木偶文化を紹介し、人形遣いを体験していただきました。
「次は、後継者をどう育てるかだね」という言葉をいただくことが増えました。まだ若いと思っているのは、私たちの錯覚だったようです。
私たちは、自分たちが師匠から学んだ後、すぐに伝承教室を県下各地で行ってきました。今後は、復活する会の本拠地で本格的な
伝承者を募集しようとか議論しています。その時には、ぜひ応募してください。

木偶体験教室阿南市大野小学校で三加茂中学校で

         誇りうる為に「ふるさとの歴史と文化を」
 地元の北井上小学校児童、北井上中学校生徒を対象として、ふるさとの文化や歴史を学習しました。
歴史講座を、不定期ですが行っています。その一環として、大人以外の小中学生を対象とした学習も行っています。
辻本や近所のおばちゃんが話してくれる内容は、具体的で説得力があります。子どもも、ふるさとの歴史や文化に
親しみをもってくれています。民具を解説するのも興味深いですが、フィールドワークも人気です。

暮らしの文化を学習徳島県一高いお地蔵さん

           
「大東の郷に光りと風を~祝福芸の世界とじんけん~」
 12月10日、大阪府大東市で開催された人権啓発講演会に出演しました。内容構成とコーディネートを辻本が担当しました。
各地で開催されているこのジョイントは大人気です。太鼓演奏・人形芝居・萬歳・雑芸・猿回しと超豪華です。時間は3時間近く費やします。
地元大東市の太鼓集団「魁」リーダーの中井さんも、太鼓の魅力と部落差別撤廃への思いを語っていただきました。
熟練の伊勢萬歳「村田社中」には、「のぞきからくり節」も披露していただきました。
浅草雑芸団の上島さんは、飄々とした語り口で観衆を惹きつけます。難しい放下芸を簡単そうに演じるのがにくい。
「猿舞座」の人気は絶大です。「芸人は子どもにかなわない、子どもは猿にかなわない」と言われます。猿の目線をご覧ください、自由奔放の
本仕込みです。子育てや教育のヒントがたくさん盛り込まれています。
2011年10月16日にこれらの伝統民俗芸能が徳島の「あわぎんホール」でご覧になれます。(入場料2000円:予定です)

「魁」の音は聴衆の心を動かす軽妙な語りで惹きつける上島さん本仕込みの猿舞座百戦錬磨の芸人にインタビュー



         各地に福と人権文化を運んで
 12月11日、広島県福山市で開催された人権問題講演会で講演しました。えびす舞に盛りあがりました。
終演後、えべっさんからの福分けを行いました。三世代で、パパと一緒に福をどうぞ。このシーンをいつか思い出してくれるはずです。
これも、伝承教室の一つなんです。木偶遣いだけでなく、福を受けるという文化を伝承しています。

えびす舞で祝福


(2010年11月)

第22回むつみ祭を開催(速報)むつみ祭のスナップをお楽しみください。
 
10月24日(日)に、毎年恒例のむつみ祭を開催しました。ご参加いただいたみなさまありがとうございました。
(作品展示は、29日(金)正午まで自由閲覧できます)
 今年は、「太鼓と津軽三味線と木偶」の競演をご覧いただき、国際色豊かな暮らしの文化を堪能していただきました。
韓国のチジミ・キムチ、中国の水餃子・肉まん、フィリピンのピザ、ペルーやフィリピンの民族グッズも若者に人気でした。
眉山園の物品販売や点訳サークルの点字体験や、青年海外協力隊の皆さんが世界各地の飲み物を準備してくださいました。
地元は、ひっかりぞうすい・お好み焼き・うどん・たこ焼き・アイスクリーム・ゲームなどを用意しました。
 
下の写真で雰囲気をお楽しみください。また、来年も工夫を凝らして、皆様方のお越しをお待ちしています。
地元の神楽太鼓の演奏戸村さんの津軽三味線が会場に響く

国府支援学校太鼓クラブの熱演可愛い「かわせみ」の演奏に大きな拍手が迫力満点の鳳翔太鼓

チヂミの香りが香ばしいひっかりぞうすいは、ムラの定番メニューインドの文化を紹介してくれたバサンティーさん

文化の秋本番
 各地のイベント会場で徳島の文化を発信しました。
(左)京都の嵐電車内で箱廻しやえびす舞を実演。(中)麻・藍・布イベントに招かれ、藍屋敷の庭で三番叟を実演。
(右)INAKA博で実演。

特設舞台は電車の中(京都)藍屋敷で三番叟まわし(藍の館)INAKA博に出演(アスティとくしま)

           
INAKA博覧会で
 アスティとくしまを会場に、9月25・26日の二日間開催された「INAKA博」に出演しました。
毎年参加させて頂いています。郷土の物産をはじめ、徳島ラーメン・徳島バーガー・たらいうどんなどの
徳島グルメを堪能できました。今年ご参加出来なかった方は、来年には是非お運びください。
物販コーナーに劣らず、ステージも人形浄瑠璃・阿波踊りなど充実しています。
いつもどこでも伝承教室を

           藍・紅花麻布
の世界
 「藍の館」を会場に、9月18~20日の三日間開催された「藍・紅花・麻布」の世界に出演しました。
 オープニングで、藍屋敷の庭で三番叟を踏みました。藍屋敷の家人は、葉藍を生産する農家であり、
染料の「すくも」を製造する技術者で、すくもを取引する商人でもありました。三番叟が葉藍を天日干し
する庭を清め、えびすが商売繁盛を予祝します。徳島ならではの農業神事といえます。
 共演した藍住西小学校の児童による阿波踊りに感激しました。鳴り物もすべて小学生でした。
また、紅花染めの技術者とお目にかかれて感激の連続でした。
山形の紅花染色作家とその昔、藍商は三番叟を特別な思いで迎えていた

               現地研修のたいせつさを
 夏は芝原フィールドワークに訪れるグループが多い季節です。徳島県内をはじめ、和歌山・大阪・奈良・東京
高知・滋賀・鳥取・兵庫の他、全人教・隣保館・各種研修グループが芝原を歩き学びました。参加者は、以前にも
まして熱心な方々が多くなっています。部落問題の研修が空洞化し消滅しつつある現状を憂い、腰をすえて現地で
学び当事者の声を聞こうとする方も増えています。私たちも、このフィールドワークを大切にしたいと考えています。
人権政経塾のメンバーがフィールドワーク

            
楽しくすごすデイサービス
 7月~3月までの間、むつみ会館でデイサービスを開催しています。NPO法人ヒューマンネットとくしまのスタッフが
調理して楽しく会食したり、健康相談・栄養指導・生きがい講座をセットしています。65歳以上の高齢者と障害者が
対象となっています。なかでも評判いいのが「辻本さんの一口講座」です。「桃太郎」「サザエさん」に絡めての人権話
は絶品です。皆さんは聞いたことありますか?社会人相手の講演会で、導入部分で話すことがありますが、面白いんです。

大勢での会食は楽しいです今日は海老フライがメインです

           企業人を対象に
 鳴門市ドイツ館で開催された「兵人企連」の研修で講演しました。ハードな研修で、隣接の賀川豊彦記念館での研修も
組んでいました。バス中では、私たちのDVDなどを鑑賞し事前研修したそうです。
 「えびす舞」ではお神酒を振舞いましたが、えべっさんから商売繁盛に加え「人権尊重のまちづくり」をとの声が掛かりました。
鳴門ドイツ館ホールで講演商売繁盛・人権尊重のまちづくりを願って、もう一杯

               
浄瑠璃大夫を
 阿波十郎兵衛屋敷定期公演(10月9日)に、浄瑠璃大夫として出演した辻本絵蘭と南公代は、大きな拍手をいただけました。
冬用の着物を新調したかいがありました。
辻本絵蘭も二度目の挑戦です三回目の南公雄(こうゆう)は慣れたもの
               
               秋の法市農村舞台で
 東みよし町の法市農村舞台に出演しました。
あわ工芸座や糸操りの木村さん、オカリナグループ「アミンダ」や阿波踊りが競演しました。
本会は、「三番叟まわし」「箱廻し」「えびす舞」の他、からくり節「不如帰」を披露しました。懐かしい空間を
雨上がりの青空と蕎麦の白い花が演出してくれました。
競演にさきがけて三番叟を奉納森が舞台のロケーション効果をあげてのどかに展開する外題

              手づくりの「人権ふるさと祭」を堪能
 日田市で開催された文化祭「人権ふるさと祭」に出演しました。旧知の仲間が頑張って取り組んでいます。
大型トラックの舞台が立派で、「えびす舞」にはちょうどいい広さでした。地元小学校の吹奏楽から祭はスタートしました。
1週間後には、私たちのムラでも文化祭が始まります。各地の文化祭のいい点を学び、むつみ祭に生かしています。
とりわけ、大分といえば「鶏めし」、日田の清流ならではの天然鮎の塩焼きは絶品でした。
また、すじ肉煮込みうどんも美味でした。食文化には、人の知恵と自然の豊かさがしみ込んでいます。
昨年は、隣のムラで箱廻しをご覧いただきました。今年は、「桃太郎と人権」と「ソメさんからのメッセージ」を
辻本が話しました。帰路の車窓から展望する湯布院は、まだ秋の衣裳をまとっていませんでした。
大型トラックがメイン舞台鶏めし(ポッポごはん)

           地元メディアで取り組み紹介
*「三番叟まわし」を後世に伝える作業の一環として、県下各地で聞き取りを行っています。(左)
*徳島の魅力発信を各地で展開しています。(中)
*新聞の日に、中内正子の意見が掲載されました。(右)いずれも徳島新聞
徳島新聞2010・8・24付徳島新聞2010・9・10付徳島新聞2010・10・15付

(2010年8月)
        阿波踊りと共演
 8月12日から徳島の阿波踊りが始まり、135万人が熱い徳島を楽しみました。
 箱廻しも、初日の午後に扇連と駒三座に交じり乱舞しました。昨年から、初日に新町アーケードで箱廻しを実演しています。
新町アーケードで扇連と共演阿波踊りにつられて木偶が舞う新町で記念写真

         モラエス館(眉山山頂)でパネル展
 
5月のポルトガル公演時にスナップした写真が一般公開されました。本ホームページで紹介した写真が中心です。
 観光客に徳島とポルトガルの縁に加えて、三番叟まわしの木偶がリスボンのオリエント博物館に展示されていることが紹介できたでしょうか。


モラえス生家と街並みオリエント博物館にてレイリア市の徳島通りとレイリア城跡

          デイサービスも軌道に乗りました
 
7月28日に行ったデイサービス、参加者も満足してくれています。食事と健康・生きがいなど盛りだくさんな内容です。
 辻本の講座は、変わった地名を勉強しました。ちなみに、一口と書いて「いもあらい」と読む京都の地名があります。
 芝原の地名由来についても学習しました。

 
同日芝原八幡神社の輪ぬけがあり、芝原の児童がお神楽を奉納しました。

猛暑にあっさり感のメニュー芝原八幡神社の「輪ぬけ」

         子どもたちが藍染めを楽しみました。
 7月29日に芝原児童館の子どもたちが恒例の藍染めを楽しみました。ふるさとの文化や歴史を学ぶことを目的としています。
 それぞれが工夫を凝らした作品は個性豊かです。小さなハンカチをキャンパスにして、数多い絞りの中から自分で選択します。
 ひもや輪ゴムをはずして、現れた絵柄に感動しています。昨年の作品と比べてみてください。毎年成長しているのが分かります。

芝原児童館の藍染め絞った柄を確認して満足

          和知(京都府)の人形芝居フェスティバルに参加
 8月1日に開催された「魅せる・人形芝居フェスティバル」に出演しました。地元中学生や和知人形芝居の他、三原中学(淡路)
 と阿波木偶箱廻しを復活する会が出演しました。来年秋に開催される国民文化祭京都に向けてのプレ事業です。
 小さな町だからこそ、人形芝居が似合うのでしょうか。とても素敵な町でした。会場もいっぱいになり木偶文化を楽しんでいました。

和知人形の里が会場

          ミズリー大学が十郎兵衛屋敷で
 6月に芝原を訪問してくれたアメリカのミズリー大学の学生とホフマン教授が、8月10日に阿波十郎兵衛屋敷で実演しました。
 ホフマン教授は、今田人形(長野)や富田人形(滋賀)で毎年人形芝居を、学生と共に学んでいます。注目すべき操りは、江戸糸操りで
 演じられている獅子舞を木偶操りにした演目です。獅子を操る軽妙な木偶が面白いです。負うた子に学ばねばなりません。

解説も日本語で流暢に軽妙な獅子舞を木偶で演じる

          着々と進む調査
 三番叟まわしやえびすまわし門付けの基礎調査が進んでいます。8月11日に中間報告会を持ちました。
 早速、興味ある聞き取り内容に出会いました。来年度の取りまとめが楽しみです。
 また、8月21日に開催する四国部落史夏期合宿についても打ち合わせを行いました。徳島大学の高橋教授が
 調査の意義や経過報告を行います。また、「四国の門付芸」をテーマとしたシンポジウムに、本会もパネリストとして参加します。

調査途中経過報告

          熱く燃える日が始まる
 徳島では、12日に阿波踊りが開幕しました。4日間で135万人が熱い渦を堪能しました。
 今年は、韓国江陵市の仮面劇の皆さんを迎えました。北島町の民泊先Kさんと応援のHさんには大変お世話になりました。
 例年にない猛暑が続く徳島。「熱くなけりゃ阿波踊りじゃない」と言いながら、悲鳴を上げる踊り子たちも多かったはず。
 高齢の踊り手にはこたえたはず。
 初日には、新町アーケードで箱廻しを実演しました。阿波踊り扇連と、人形浄瑠璃駒三座の皆さんと乱舞しました。今年は、
 絵本太功記を担いでの阿波踊り。並の男性でも無理な重い木偶4体を担ぐ中内の肩は大丈夫かと心配しました。
 駆けつけた仲間や、通りすがりの方との記念写真。阿波踊り期間ならではの開放感に12日の午後を楽しみました。
 来夏も12日に実演しますので、町行きの箱廻しをご覧になりたい方はお運びください。

駒三座の皆さんと駆けつけた安さんと再会を喜ぶ

          日韓の文化交流
 韓国江陵市の仮面劇関係の4人が来徳しました。加えて、東京在住の3世コリアンジャパニーズの崔君と、韓国民俗文化研究者の
 神野さんが阿波踊りを楽しみました。6月に行われた江陵端午祭(世界遺産)に参加した県阿波踊り協会の方とも再会しました。
 桟敷出口で待っていると、たくさんの方と再会でき、安さんも大満足でした。また、阿波踊り名手四宮生重郎さん(83歳)にもご挨拶
 できました。安さん(江陵官奴仮面劇准教授)も、何時しか踊りの輪に入っていました。14日には、娯茶平の岡連長の計らいで、桟敷で
 踊ったとのこと。

江陵端午祭に出演した殿様連の連長さんと再会殿様連長と記念写真阿波踊りの名手四宮生重郎さんと娯茶平連の皆さんと

          祖谷渓谷を堪能
 14日には、祖谷渓谷に出向きかずら橋などの観光地を訪ねました。
 端午祭で神が降臨する木(紅葉)を山で見つけて、祭壇に祀る役割を担う安さんにとって、祖谷は神々の国だそうです。
 帰り道に、女踊りの名手四宮さんを訪ねました。名刺交換しかできませんでしたが、貴重な記念写真をゲット出来ました。
 笠をかぶって踊る四宮さんは大きく見えますが、普段着の彼女はスリムでした。

かずら橋を楽しむ女踊り名手の四宮さんを訪問

             
お鯉さんを訪ねて
 町中の踊りに疲れた頃合いを見計らって、栄町の「言問」を訪ねました。「よしこの」でおなじみの多田お鯉さんの店です。
 安さんをはじめ同行した皆さんに喜んでいただきました。
 崔君と神野さんが叩く太鼓にあわせて安さんが踊り始めました。阿波踊りから韓国舞踊に変わっていきました。不思議と自然に感じたのは
 私だけでしょうか。
「よしこの」のお鯉さんを神野さんの太鼓も本格的

          無実の石川さんは元気です
 狭山事件の石川さんを迎えてのバーベキューパーティーは恒例となっています。石川さんを支援する仲間が集まります。
 再審勝利に向けて最終段階に入っている狭山事件。1日も早い再審を願っています。
 パーティーが盛りあがった頃、阿波踊りの浴衣を羽織った高井美穂衆議院議員が出席しました。さわやかな挨拶をいただき
 ありがとうございました。この後「ささ連」で踊るとのこと。早速、中内が踊り指南です。和やかな内に夜が更けていきました。

交流会で語る石川夫妻駆けつけた阿波踊り衣装の女性は高井美穂衆議院議員

          津田の盆踊り
 徳島城博物館で津田の盆踊りが見られると聞き、急いで出向きました。今に伝わる漁師町の盆踊りは、本来の阿波踊りを思い起こさせます。
 子持ち組の踊りと大漁旗がいいですね。韓国の安さんも大満足でした。

津田の盆踊り大きな声を上げて乱舞

          徳島の郷土料理に舌鼓
 
 市内の料理店で郷土料理懐石を楽しみました。鯛のかぶと煮が一番人気でした。食後は急いで阿波十郎兵衛屋敷へ。
日本庭園で十郎兵衛屋敷で記念写真

          三人が太夫デビュー
 8月15日に、阿波木偶箱廻しを復活する会の南と中内と辻本が太夫を務めました。本会の3人が、喜笑会の太夫としてデビューしました。
 会場は満員御礼で立ち見が出ていました。緊張するかと思いきや、本番が始まったら床本を見るのに精一杯であったとのこと。
 リズム感の辻本、泣きの中内、声の南の個性が出た「阿波鳴」でした。会場からの評判もいい感じでした。

中内の太夫姿南の太夫は声が命町子師匠と記念写真

          木偶を楽しみふるさとの歴史や文化を学ぼう
 8月18日には、地元芝原児童館と芝原教育集会所で「伝承教室」を開催しました。参加した子どもたちは、木偶操りは勿論のこと古い民具に
 興味を示しました。次から次に質問する子どもたちに、大人はどれだけ答えられるでしょうか。ふるさとを誇りに思える教材をもっとたくさん用意し
 なければなりません。親と子がともに学べる空間を充実させていきたいと願っています。

梨割木偶に歓声芝原教育集会所にて資料展示室の再現民家に興味津々昔の道具について質問が

(2010年6月~8月)

大津を散策(人形劇図書館・日吉大社・蟬丸神社)
 
7月10日に大津市坂本の人形劇トロッコ(人形劇図書館)と日吉大社、逢坂の蝉丸神社を訪ねました。

トロッコの看板日吉大社鳥居口蝉丸神社

西畑人形取材・識字学級(読む・書く・語り伝える)・フィールドワーク
 7月18日に開催された「野掛木偶芝居」の準備中の讃州木偶塾を訪問して、来春開催予定の公演について打ち合わせを行いました。
 7月20日は、生活文化学級(識字)を開催しました。読み書きだけではなく、門付けの聞き取りも行いました。
 7月22日は、全国各地から50余人が参加するフィールドワークを受け入れました。


西畑人形の木偶識字学級


 熱い思いを抱えてFW
 
7月21日22日の二日間、徳島市を会場として開催された全人研分野別研究会に450人が参加されました。
 22日の午後、芝原でのフィールドワークに全国各地から50余人が参加しました。
芝原の文化運動の中でも、聞き取りからの文化伝承と解放運動を中心にムラの中を歩いて頂きました。
35度をこす猛暑にも負けない熱い思いを持って参加された皆さんに敬意を表します。
普段の講演会では語りきれない内容を盛り込みました。
あと1時間あればもっと歩いてもらえたのですが、またの機会の楽しみに…。
 私たちは、ここに来ていただければ他所の博物館では見ることができない資料を持っています。
ムラの解放運動力・教育力としています。
もっと
詳しく知りたい方は、8月21日・22日に開催予定の「四国の門付け芸」にご参加ください。
そこでは、他所で学べない内容と出会えます。
ふるってご参加ください。

むつみ会館で全体説明ムラの中を歩いてFW三番叟まわしも実演

       旭堂南陵(講談師)さんと
 
大阪で大活躍の舞踊家、天羽祥瑞(天羽流家元)さんが主催するチャリティーショーが、阿南市夢ホールで開催されました。
 7月3日はあいにくの雨模様でしたが、会場は超満員となりました。出番までの時間、旭堂南陵さんの芸談をたくさん伺うことが
出来ました。師匠とは、8年程前から面識を得て親しくお話頂けました。芸談の中でも、「のぞきからくり」の話が興味深く、辻本も
詳細な質問をしていました。佐賀県の啖呵売グループが現業中とのこと。その情報を得て、辻本がどう動くか楽しみです。


記念写真、ロビーにて(中央が南陵さん)

       辻本のピン講演
 7月9日、滋賀県草津市で市民人権セミナーに辻本が招かれて講演しました。

 
辻本は、30余年の講師歴を持ちます。徳島市の同和問題講師(当時最年少)を皮切りに、ピンで講演活動を行っていました。
ここ10年は、阿波木偶箱廻しとセットでの講演(公演)がメインになっていますが、昔の辻本を知る各地の人権担当者から時折
ピン講演の声が掛かります。人形芝居とセットでは、90分の内辻本が喋れるのは30分程度です。120分~150分頂ける講演
であれば、個性豊かな喋り口を楽しめます。とりわけて、じっくり「何をどう取り組んだのか」を聞きたいというニーズも年間
10回はオファーがきています。でも辻本は、90分いただいても十分でない様子です。いろんな引き出しを持ち、一度の講演で
自分自身納得できないのでしょう。困ったものです。

広報チラシ満席の会場で熱弁

         
ここに行けば人形劇まるわかり
 
トロッコに行けば人形劇関連の専門書・雑誌・資料が一覧できます。とても素敵な民家の図書館でした。
私たちも、トロッコのような資料館になればと願っています。
大津市坂本の新興住宅街に佇む「小さな杜」は宝の山です。探しにくいのもいい感じ。
 主宰の潟見さんご夫妻と再会を喜び数時間おいしい空間を味わいました。
昼に、穴太(あのう)衆(朝鮮渡来)が積んだ石垣が連なる町を歩き、日吉大社を参拝しました。
大社には神猿がいます。「猿回し」をはじめ芸能者の崇敬の対象となっています。
一度では十分な空気が吸えません。これからも何度か参拝したいと願っています。
国宝の本殿はもちろんですが、山門の神猿をじっくり味わいたいと思います。


今も残る穴太(あのう)積み山門に神猿が生き神猿さま

       気になる神社
 
坂本から京都方面に車で20分、国道1号線合流直前に蝉丸神社がありました。
なんと、京成電鉄の遮断機が鳥居の前に居座っています。
時代が参道を横切ることを許したのでしょう。
旅の安全を祈る道祖神として崇めるのであれば、遮断機でなく停車駅を造るべきでしたね。
世が世であれば、ここは関所。旅芸人はここで興行鑑札を受けたのにねー。私たちは、念入りに参拝しました。
説教師の免許までは無理でも、門付け芸人として道歩きの安全を願いました。
ここも、一度の参拝では済まない神社です。毎年ご挨拶をしなければなりません。

蝉丸神社本殿神楽殿から

       
アジア人形劇フェスティバル

大韓民国江原道江陵市で、アジア人形劇フェスティバルが開かれました。阿波木偶箱廻しも参加し、三回の公演を行いました。
江陵市民文化会館と端午文化館ホールでの公演は、日本語にハングルを交えての実演でした。
えびすさんが、無病息災や商売繁盛を祈る文言もハングルです。乗りが良い観客から大きな拍手をいただきました。
参加劇団は、韓国・中国・日本の9劇団です。子供に、人形文化を提供したいという主催者の熱い思が各劇団に伝わってか、
フェスティバルは大成功でした。次回の開催は北京になるかもしれません。
即興の体験教室に子どもたちは大喜びハ ヨンフン 人形劇団(韓国)のマリオネット韓非子 人形劇団(中国)の影絵劇

       端午祭パレードに参加
6月14日の夕刻、神木を先頭に端午祭会場までパレードしました。
地元の学校に集合した出演者は、数えることができないくらいの人数でした。
アジアを中心に、世界各国から集ったパレードは、色とりどりの賑わいを持ち、「地球人」を意識できる会場となりました。
私たちも、出来る限りの交流を行いました。一つの祭を、世界各地の民族衣装で彩っている景色は爽快でした。
中国からは、200人の交流使節団が参加していました。この雰囲気は阿波踊り会場にも似合うと感じました。

韓国の民俗舞踊グループと中国の人形劇団ファアンロと中国交流団と

       端午祭会場は、例年の賑わいを
端午祭は、旧暦の5月5日を中心にして8日間開催されます。
韓国中の民俗芸能集団が集う会場は、日中も人が途切れず賑わっています。
日本からも、文化紹介のブースがありました。仮面劇のマスクを手作りするブースは、子供や外国人に人気でした。
端午祭文化館と会場をつなぐトンネルには、冬季オリンピックを誘致する思いを込めた手作りの紙コップとが飾られていました。
多くの人々が、民間パワーで作りあげる端午祭が会場のあちこちでみられました。とにかく、8日間は祭一色に染まりました。

手作りの仮面を楽しむ会場はいつも人でいっぱい色とりどりな紙コップで化粧された通路

       阿波踊りと箱廻しが世界文化遺産の舞台に
徳島が誇る阿波踊りの一行が、世界文化遺産の江陵端午祭のメイン舞台で乱舞しました。
予想通り、反応が良い韓国の方々を巻き込んでの大演舞となりました。
計四回の公演で少々疲れ気味な一行も、圧倒的な観客数に持ち前のエネルギーを爆発させました。
フィナーレでは、出演者や観客も踊りこみました。
世界有数の規模を誇る端午祭に質量ともピッタリの阿波踊りでした。
今後、毎年の参加を要請されそうな雰囲気で、端午祭のフィナーレは阿波踊りと言われるようになるかもしれません。
お見事でした。箱廻しも、人形を繰り出して乱舞しました。

メインステージを阿波踊りが占拠女踊りの美しさを余すところなく披露爆発的な賑わいを見せたフィナーレ

       端午祭の真髄
地球上には、今にも消えそうな文化遺産が数多く存在します。そのかけがえない有形無形の遺産は、
戦争・差別・環境破壊で消えようとしています。
今の地球人は、平和・人権・環境を大切にしていかないと、たいせつな文化遺産を失ってしまいます。
私たちが、江陵端午祭に興味を持ったのは、舞台芸ではなく韓国中の民俗芸能や大道芸が集う祭ということでした。
また、韓国の各町で開催されていた端午祭の多くが消えてしまう中、町をあげて端午祭を伝承した営みに感動したからです。
今では、世界から注目されるイベントとなり、大きな観光資源となっています。
民俗文化と町づくりが成功した事例です。
端午祭は、山の神が祀られている山から、神が降臨した木を探して祭壇に祀る神事から始まります。
神木を選定し運んで行く役割を、安氏(昨年本会が徳島に招聘した仮面劇の准教授)が担っています。
神への畏敬と先祖への感謝を軸に、現世に生きる私たちの健康や五穀豊穣を祈ります。
私たちが伝承する阿波木偶三番叟廻しの精神性と同一のものです。公演の合間を縫って、神が降臨する山を訪ねました。
端午祭の祭壇には多くの人々が集っています。ここを見逃しては、端午祭を見たとは言えないゾーンです。
民衆の神事と芸能の源泉に触れることができます。

市街地から車で30分の森に祀られた山の神国を造った武将が祀られた御堂祭壇場ではパンソリ伝承者が次々と物語を語る

       出会いを楽しむ
阿波踊りと箱廻し一行44人は、韓国料理や民俗舞踊を楽しんだことにとどまらず、
世界各地から参加した方々と地球規模の交流を楽しみました。
韓国の人間国宝との面会や、歓迎レセプションで交流を楽しみました。
江陵市長や端午祭実行委員長と共に、乾杯の音頭を…。

昼食前には、伝統の舞いを披露してくれました仮面劇の人間国宝である金教授を訪問江陵市長主催の晩さん会

2010年6月~7月


識字学級開講式(芝原生活文化学級・自主夜間学校)
6月24日に、2010年度芝原生活文化学級開講式を行いました。
開講式では、「読む・書く・語り伝える」という、私たちの識字学級がたいせつにしているスタイルを再確認しました。多くの共学者からは
藍染めや外国の文化などを楽しみ、文化祭につないでいきましょうと挨拶をいただきました。
また、芝原自主夜間学校やデイサービスの取り組みも紹介し、多くの参加を呼びかけました。
開講式の後は、恒例となっている落語会です。七福さんが明治初期の演目「警察うどん」を披露してくれました。

共学者から学習内容の説明桂七福の落語「警察うどん」に大笑いみなさん行儀がいいんです

        韓国公演速報
<アジア人形劇フェスティバル><江陵端午祭><その他>
6月12日~14日の3日間、韓国江陵市で開催されたアジア人形劇フェスティバルと、6月12日~19日の間開催された江陵端午祭での公演等を一部紹介します。
アジア人形劇フェス会場にて端午祭にてスナップ・農楽端午祭メイン会場で阿波踊り

2010年5月~6月
 
ポルトガル公演速報
<マリオネット・インターナショナル・フェスティバル><モラエス><レイリア><その他>
フェスティバルのポスターを貼ったタルンバ(主催)事務所モラエスの生家。左のプレートはポルトガルで焼かれたタイル。右の日本語は、日本で焼いたタイルです。徳島市と姉妹都市のレイリア市にある「徳島通り」。<今回の見出し>


   <リスボンやレイリアの街並み>で箱廻しを実演。

 5月11日から18日の間、ポルトガルのリスボン市で開催されたフェスティバルに招かれて、箱廻しを実演しました。地元の観衆は「街中を歩く文楽」に驚いていました。
観衆の眼の前で大きな木偶を操り、阿波の人形戯を楽しんで頂きました。世界各地から参加しているプロの人形劇人も一様に興味を持って箱廻しを見ていました。
 
高台から望むリスボン市。のみの市で売られている「が―ロ」関連のグッズ。アルファマ地区「ファド」の世界を訪問。
 一週間の滞在で、箱廻しを実演すること以外にいくつかの目的を持って渡航しました。それは、「モラエスの生家を訪ねること」「徳島市の姉妹都市レイリア市を訪ねること」
「下町の世界で『ファド』を楽しむこと」「ナザレで海鮮料理をいただくこと」そして、「オリエント博物館を見学すること」でした。そのほとんどを堪能することができました。
オリエント博物館ホールで実演。「三番叟まわし」の実演。木偶の見送りに喜ぶ観客。
 オリエント博物館では、阿波木偶三番叟廻しの木偶一式が展示されていました。一部木偶展示に間違いがあったものの、解説も適切な表現でした。
この資料は、香港の収集家からフランスの人形収集家を経由してオリエント博物館に収蔵されたとのことです。誰よりも驚き感激したのは私たちでした。
博物館の展示責任者も、「このホールで三番叟まわしを実演してくれてうれしい」と喜んでくれました。DVDやスライドで、箱廻しの世界を紹介しました。
千歳(せんんざい)翁(おきな)三番叟(さんばそう)えびす
 神戸・大阪総領事を務めたモラエスは、晩年は徳島で暮らし終の住み家とします。彼は母国に阿波踊り(徳島の盆踊り)などを紹介し日本の精神を伝えています。興味ある方は
調べてみてください。徳島市伊賀町にモラエス通りがあり、眉山山頂にはモラエス記念館がありますので訪ねてみてください。
 日本大使館と徳島ポルトガル協会桑原会長(徳島銀行相談役・阿波木偶作家協会会長)や林啓介先生のご協力で、バレイロスさん(ポルトガルモラエス協会前会長)とも交流ができました。
彼の解説で、山の手に佇むモラエス生家を見学できました。モラエスが徳島で暮らした時代には、三番叟まわしが正月を彩っていました。彼は三番叟まわしと出会ったのか興味が尽きません。
バレイロスさんは、徳島にも訪問頂いたとのこと。えべっさんからの福分けを喜んでくれました。
リスボン市は坂が多い町。この上にモラえスの生家がある。モラえスの生家。屋根裏部屋で若きモラえスは初めての作品を書く。日本大使館の書記官に案内されて、モラエス協会バレイロス前会長に会えた。
 リスボン市から北に約150km行くと城下町のレイリア市があります。徳島市と姉妹都市を結ぶ町です。「徳島通り」があるとのことで、最終日に訪ねました。閑静でおしゃれな住宅街に
「徳島通り」はあり、レイリア城に続いていました。城からは町全体が眺望できます。城内で出会った観光客の家族を相手に木偶操りを披露しました。子供には、即興の伝承教室です。
レイリア市の徳島通りで記念写真。城から市内を一望。城内で体験教室。
 レイリアへの途中に、リゾート地のナザレ市があります。そこでは海鮮料理を楽しみました。5人で80ユーロ程度で十分楽しめました。一人2000円弱です。
下の写真のイワシの塩焼きは、日本人の口にピッタリでした。海鮮リゾットは、女性たちが大満足の一品でした。海は大西洋ですが、景色は地中海そのもので、ギリシャの町と言っても誰も疑わないと思います。
ナザレ市の展望台にて。イワシの塩焼きは美味。海鮮リゾットに舌鼓。街角で木偶を操る。

 *とりあえず、リスボン訪問の写真速報です。

 (2010年5月
皐月の行事に参加しました
<野崎参り・麦うらし>
のざきまいりポスター野崎観音境内にて愛媛東温市にて<今回の見出し>

  <のざきまいり>で箱廻し
 5月1日に、大東市(大阪府)の野崎観音に招かれて箱廻しを楽しんでいただいた。地元の太鼓集団「魁」の皆さんと共演し、参拝者に喜んでいただきました。
ツツジと人でうまった境内若者が発する鼓動でオープニング
 野崎観音といえば「お染久松」の浄瑠璃ゆかりの地。和製「ロミオとジュリエット」といわれますが、シェークスピアのそれをしのぐ物語です。人形浄瑠璃の外題として親しまれてきました。
人権パネル展も恒例となっている
 境内では、人権パネル展が恒例となっており、多くの参拝者が展示コーナーをのぞいていました。格好の啓発の場となっています。今年は、「フードバンク」の取り組みが紹介されていました。興味ある方は、ぜひ調べてみてください。
 大東市にお出かけの際は、ぜひ立ち寄ってお茶を頂いてください。四季折々の草花が迎えてくれます。それにもまして素敵なのは、現住職のお連れ合いでした。話によれば、先代の御住職が名物和尚とのこと、生前にお目にかかれなかったことが悔やまれますが、残されたエピソードや墨痕を楽しんでください。お勧めです。

  公演?聞きとり?
 5月3日に、愛媛県東温市の町で開催された敬老会(少し早い?)に招かれて「三番叟まわし」や「えびす舞」などを楽しんでいただきました。
私たちを招かれた理由はただ一つ、「なつかしい」です。翌日の愛媛新聞にも記載されていましたが、数十年ぶりに(40年~60年)三番叟とえべっさんを迎えたと喜んでくれたそうです。
参加したメンバーも、すぐに聞きとりの作業です。この地にも、三番叟を迎える文化環境が高齢者の記憶に消えずにいます。幼いころの記憶が蘇ったのか、目を潤ませるおばあちゃんの姿が印象的でした。ちなみに、この地に三番叟が来たのは秋だそうです。旧暦10月10日はえべっさんの日ということを皆さんご存知でしたか?
正月以外に門付けするにも意味があるんですね。
東温市の高齢者に披露愛媛新聞5月4日付

<麦うらし・麦熟らし>
 5月8日に、小さな森が賑やかになっていました。周りは麦秋です。熟れた麦が風に揺れる景色は最高ですね。
愛媛県東温市にあるJウィングファームが主催する伝統行事です。アメリカ仕込みの代表者牧さんは、ジーンズとブーツが良く似合うロマンスグレー。
牧さんも、子供のころに三番叟を迎えた一人です。NHKで放映されたドキュメント「福を届け、福を待つ」をご覧になり、それが御縁で私たちとつながって頂き
応援して頂いています。(ありがとうございます)私たちも、この半世紀の間に失った故郷の「香りや景色」の大切さを実感しています。
三番叟で門付けする私たちの思いと、牧さんの思いは重なっています。(ひとり合点ですが)
興味がある方は、<麦うらし>と牧さんを訪ねてみてください。



        友人も大活躍…花ざかりです
 4月18日に、阿波市で味噌や醤油を製造する三浦醸造所の蔵開きに参加し、
三番叟やえべっさんでお祝いしました。5代目杜氏の三浦さんは、何事にもこだわりを
持った職人です。肥料や農薬を使用せず、土本来の力で大豆を育てています。
蔵も、自力で15年の年月をかけて完成させました。こだわりに感服です。ふるまわれた味噌汁は最高でした。
 同日、脇町の器ギャラリー「萩の庵」で開催中している「上田敦子作陶展…百の飯椀」をのぞきました。
一つひとつにそれぞれの顔があり、お気に入りを選ぶのに困るほどでした。敦子さんの技量は確実に成長し、
ファンを増やしています。すごいぞアッちゃん。作品全部を手元に置きたくなります。
徳島新聞 4月18日徳島新聞 4月20日

(2010年4月)

「阿波木偶箱廻しを復活する会」15周年を祝う会が、4月24日にホテルクレメント徳島で開催しました。県内外から240人余りの方々にご参集いただきき、本会の15周年を共に祝って頂きました。
八王子車人形の「フラメンコ」や伊勢万歳の「七福神」、本会の「三番叟まわし」や「えびす舞」で楽しい交流の場が持てました。
支えてくださる皆さまに感謝しながら、新たな歩みを刻んで参ります。今後とも、よろしくお願い申しあげます。
 
1都2府10県から243人が集まっていただきました。八王子車人形5代目家元 西川古柳さんの「フラメンコ」伊勢万歳の太夫 村田さんの「七福神」。しめくくりは、飯泉県知事の大盃。お神酒を一気呑みでした。

祝辞を頂いた方…
飯泉嘉門徳島県知事様、高井美穂文部科学大臣政務官様、大塚幸雄NHK徳島放送局局長様、吉井良英西宮神社禰宜様、田中誠門付け先代表様
祝電・メッセージを頂いた方…
瀬戸内寂聴徳島文学書道館館長様、仙谷由人国家戦略担当大臣様、吉井良昭西宮神社宮司様、渕英徳曹洞宗人権擁護推進本部長様、原秀樹徳島市長様、
                  大久保一康とらまる人形劇研究所理事長様、井上邦仁阿波人形浄瑠璃振興会会長様、阿波人形浄瑠璃研究会青年座様、太田明夫様(島根)、乗本良一様(大阪府)
                  篠原俊次様(つるぎ町)。

                    お祝いや、お花などをたくさんいただきました。厚くお礼申しあげます。

 復活する会の取り組みの前身に、被差別部落での聞きとり作業がありました。今、消えようとする文化遺産に注目したのは30年前でした。
復活する会15周年と同時に、聞きとり作業30周年を記念する会でした。辻本一英が20歳代から始めた取りくみに、多くの賛同者が集い共に積み重ねた30年です。「共に祝う」会の趣旨がそこに凝縮されています。祝う会の発起人会で作成した趣旨の一部を紹介します。

阿波木偶箱廻しの「三番叟まわし」という伝統的民俗芸能は、正月を迎えた各家庭に福をもたらす門付け芸として歴史的に親しまれてきました。それが戦後の196070年代から急速に姿を消し、最近では県西部など極めて限られた山村でしか演じられていませんでした。その背景には日本経済の高度成長に伴う農山村の過疎化・核家族化という社会の大変動があった結果であることは言うまでもありません。そうした経済優先社会では、確かに目を見張るような技術革新による物質的な豊かさがもたらされた反面、公害問題の発生や地域格差・村共同体の解体を早め、生活様式と習俗の変化は目を覆う状態となりました。

 このような状況のなかで、「阿波木偶箱廻しを復活する会」は、1995年から県内外で広範に伝統的祝福芸の調査研究と復元作業を開始しました。1999年には「三番叟まわし」伝承者に弟子入りし、三カ年にわたって修行を積み、師匠引退後は正月の門付けを継承しています。現在では正月に、850戸の家庭に福を届けています。また、子ども伝承教室などを開催して次代を担う事業に取り組んでいます。その積極的な活動は各方面から注目され、発展を望む期待が寄せられています。

2006年の徳島新聞賞(文化賞)受賞をはじめ、2007年には、国立劇場と国民文化祭(徳島)に出演、徳島県公式訪問団としてドイツで実演、NPO法人「阿波の門付け芸保存会」を設立。2008年には、韓国人形劇フェスティバル出演。2009年には、同会収集の「阿波木偶の門付け用具」が国の登録有形民俗文化財となり、無形文化遺産活性化コンテスト(ユネスコ・アジア文化センター主催)でACCU賞を受賞、フランス世界文化会館で「三番叟まわし」を実演するなど、実績を積み重ねていることが高く評価されるに至っています。

 わが国芸能の原点とも位置付けられるこれらの祝福芸は、歴史的に不当な部落差別によって消滅の危機に瀕していました。復活する会は、その状態から甦らせることこそ、国民的課題たる部落解放のための有力な一環となし得ると確信し、それら現状を広く訴えながら、力強くその伝承と復活をめざす活動を展開しています。

その雄大な活動に賛同する私たちは、「復活する会」のさらなる発展を期待し、支援の輪を大きくするため、発起人一同から広く関係の諸氏に呼びかけ、数年来の「復活する会」の輝かしい業績を祝うとともに、より発展を願うささやかな席を設けました。ぜひともご出席を給わり、復活する会の今後の活躍を励ましてくださることを、心からお願いする次第であります。


 三番叟まわしの足跡を歩く
3月27日に、徳島民俗学会の皆さんと地元をフィールドワークしました。
私たちは、各方面のご協力を得ながら、三番叟まわしや箱廻しの調査を行います。
今年は、徳島県内の三番叟まわしを中心とした祝福芸の調査を行います。
ご協力いただける方は、本会までご連絡ください。

      巨大な写真が

4月4日に一般公開された「徳島あわおどり空港」を見学しました。
到着ロビーには、中内と南の写真(荒井賢治氏撮影:タテ7m)が壁に貼られています。
空港利用時にのぞいてみてください。
徳島あわおどり空港到着ロビー

       阿波の民俗文化を紹介
4月7日に、徳島大学総合科学部の新入生を対象に、「大学入門講座」で辻本が阿波の人形芝居や
箱廻しを紹介しました。新入生に徳島の魅力を伝えるのは至難の業です。
3講義走り走りの紹介でした。

        阿波の伝統人形芝居を満喫
 4月10日・11日の二日間、国際人形劇連盟日本センター「日本ウニマ春のミニ研修会」を迎えました。
 一日目は、阿波十郎兵衛屋敷で公演・展示品の鑑賞、郷土文化会館の阿波木偶資料館見学、天狗久資料館見学、
阿波木偶制作保存会訪問、芝原生活文化研究所訪問と、充実した研修を行いました。
 二日目は、神山町の小野さくら野舞台(農村舞台)で寄井座の人形芝居や襖からくりを楽しみました。
桜の花びらが舞う舞台での鑑賞は味わい深く、参加者に喜んで頂けたと思います。

(2010年3月)
人形浄瑠璃街道

 3月21日(日)に 美馬市脇町の「オデオン座」で開催されました。上演にさきがけ、うだつの街並みでは木偶の練り歩きや操り体験が行われました。
名月座・人形芝居えびす座・三原中学校郷土部・木沢芸能振興会・阿波木偶箱廻しが競演し、観客を魅了しました。

写真速報

三味線餅つきで歓迎練り歩き、オデオン座へ向かう箱廻し西宮→淡路→徳島、人形浄瑠璃街道が開通創作「戎舞」「三番叟まわし」
オデオン座前では「三味線餅つき」    うだつの町並みを練る      人形浄瑠璃街道テープカット

国府町和田は、秀逸な人形師が腕をふるった町でした。名工の人形富・人形忠・天狗久は、全国的に有名でした。
箱廻し芸人は、名工が彫り上げた木偶を各地に運ぶセールスマンとしての役割も果たしました。箱廻し芸人と人形師にまつわる話も語り継がれています。
芝原生活文化研究所は、全国各地での調査や関係者からの聞き書きを積み重ねています。また、箱廻しと関連深い木偶や諸道具を収集し展示しています。
収蔵する一部を紹介します。

 「ウェルかめ」が最終回を迎えました

 徳島県美波町が舞台となった「ウェルかめ」放送が終わりました。
 NHK大阪放送局に隣接する大阪歴博での講演時、1階ロビーに移設展示されたセットを見ました。
ドラマは、ほっとできる中身で癒されました。毎朝楽しみにしていた連ドラの最終回を迎えるのは寂しい限りです。
 今、四国に熱い視線が注がれています。ふるさとの魅力を再評価する良い機会です。戦功を美化することにつながるドラマはいかがなものかと危惧します。また、坂本竜馬の魅力は万人の認めるところですが、徳島の美波町出身の「中林なか」という人も魅力的で、大河ドラマにも取りあげる価値をもった人物です。彼女は自由民権運動活動家ですが、隣県の板垣退助や中江兆民に比して余りにも無名です。十代の少女中林なかは、「五反ならし」運動を美波町から起こしました。全ての家庭に五反の田畑を平等に与えて、市民の自立を訴えました。運動半ばで挫折し、北海道風連町で生涯を閉じますが、その魅力的な生きざまは想像に難くありません。興味ある方は調べてみてください。身近なふるさとに魅力を発見できます。

華房良輔さんのえべっさん

 『天皇陛下万歳とお笑い漫才(伝統芸能の謎を解く)』(2003/解放出版)の著者、華房さん(2009年没)が遣っていたえべっさんと関連用具類が、遺族から箱廻しを復活する会にご寄贈くださいました。生前、三重県鈴鹿市での人権講演会に出演した折りお目にかかり、親しくご指導いただいた方です。徳島の「えびすまわし」も調査研究されて、ご自身も道を歩き芸を披露されていました。華房さんに初めて「三番叟まわし」を見ていただいた頃は、私たちも駆け出しで、芸に関する詳細なご指摘も受けたことを思い出します。
 寄贈いただいた人形と道具は、教育集会所(むつみ会館2階)に展示します。芝原の子どもたちやフィールドワークに来られる方々に見てもらおうと考えています。

手作りの札えべっさんの舞台となる首掛の箱鯛を釣り上げるえべっさん

(2010年2月)

ご参加ありがとうございました
    主催:草津市人権擁護推進協議会・草津市・草津市教育委員会・人権啓発活動湖南・湖西・甲賀地域ネットワーク協議会 
 出演:
村田社中(三重・伊勢万歳)、猿舞座(山口・猿まわし):浅草雑芸団(東京・放下芸)
     太鼓集団「魁」(大阪・和太鼓):阿波木偶箱廻しを復活する会(徳島・木偶まわし)  
     コーディネート:辻本一英(徳島・芝原生活文化研究所)
     
企画:芝原生活文化研究所・NPO法人ヒューマンネットとくしま

     主催:草津市人権擁護推進協議会・草津市・草津市教育委員会
         人権啓発活動湖南・湖西・甲賀地域ネットワーク協議会 

 
定員800人の会場は超満員でした。太鼓の音で幕を開け、参加者の度肝を抜きました。今回の「魁」は、14歳から20歳の若者を中心にしたメンバーを送り込んできました。太鼓から若者のエネルギーが生まれます。被差別民が築いた知的財産を、現代の若者の手によって受け継がれています。会場中の空気を震わす太鼓の音は、とても気持ちいいんです。
草津市に道の芸が集まります。
祝福芸の三番叟まわしと伊勢萬歳は、伝統芸の魅力を余すところなく披露してくれました。数百年の時空を紡いだ力が芸の中に存在します。
150分の演技を終えフィナーレに湧く会場
本仕込みの猿回しは、むちを使わず猿に芸を教えます。芸も猿の機嫌次第。見事なジャンプで輪をくぐる瞬間は息を呑みます。

 この「近江路に風光りなむ」にお招きした3組の芸能集団はプロ活動する方々です。門付けや村回りで稼いでいます。マスメディアや舞台を中心に活動する芸人ではありません。言い換えれば、日本の伝統的な営業形態を今も継承する芸人です。全国各地を歩き、人々に生きる勇気さえ運ぶ芸人です。初めて観ても、素朴で懐かしいと思えるこれらの祝福芸の多くは、差別を恐れて伝承されず消えてしまいました。
 戦後日本社会は、急速な技術発展により生活様式や習俗が激変しました。現代は物質的な豊かさがもたらされた一方、社会の共同体意識の崩壊をもたらし、人との絆が希薄となり憂慮すべき時代を迎えています。この集会では、伝統芸能鑑賞を通じて「人権尊重のまちづくり」が自分の幸せとつながる事を確認しました。日本の伝統芸能は、「被差別部落」「障害者」「アイヌ民族」「沖縄」の文化を看過して語ることができません。それらの知的財産ともいえる文化は、「戦争」「差別」「環境破壊」により消滅の危機にさらされてきました。「平和」「人権」「環境」
は、「人権尊重のまちづくり」の大柱です。人権が大切にされる町の家々には、どこからか福の神が訪れるということを知っていますか?

今年の旧正月は2月14日です  あけまして おめでとう ございますいます
 みなさまの無病息災・家内安全・五穀豊穣・商売繁昌を祈ります。
 本年もご支援のほどよろしくお願い申しあげます。私たちは、1月1日午前0時から福を届けるため雪道を歩きます。門付け先のおじいちゃんやおばあちゃんの笑顔が浮かびます。2月14日から福の神を背負い、山道を歩き門付けします。

*新着情報*

 私たちが伝承している「三番叟まわし」は、伝統的な門付け芸です。決めた日時に門付け先を訪ねて一年間の福を届けます。
また、「箱廻し」は道の芸です。阿波木偶箱廻しを復活する会会員の多くは仕事を持ちながら伝承活動を行っています。しかし数名は、1月1日から旧正月後まで門付けに専念しなければなりません。そのために、舞台公演やイベントに有料出演して自立しなければなりません。その公演では、阿波の素朴で伝統的な正月習俗や木偶文化の輝きを紹介しています。名もない田舎のささやかな明かりを、受け継いでまいります。ご支援いただけますようよろしくお願いいたします。
 2010年正月の門付けと西宮神社百太夫祭のスナップを紹介します。

2010年門付けの一日が四国放送TV「おはようとくしま」で紹介されました
四国放送「おはようとくしま」1月20日放送
 徳島県美馬市脇町の山間部(香川県境)で行った門付けがTVで紹介されました。撮影日は1月15日、
2日目に降った雪が残る山里での門付けは、三番叟まわしにとっては最高のロケーションでした。
 取材同行した辻本は、バリバリに凍った山道をノーマルタイヤでスイスイ。見ているだけでこちらは
冷や汗ものです。徳島大学の先生が同乗しているのに平気のへの字で運転していました。
 取材では、雪に足を滑らす中内や、門付け先のおばちゃんが雪かきしてくれる様子も映していました。
放映された内容から、山間で暮らす人々が三番叟を心待ちにしてくれる様子が伝わっていました。

        被差別部落のアイデンティティとして
朝日新聞(夕刊)1月21日付朝日新聞1月22日付

 ニッポン人脈記(朝日新聞)差別を越えて③に、辻本と中内・南の取り組みが紹介されました。同記事には、
太鼓集団「怒」の浅居さんたちの思いも紹介されていました。3度に亘る取材でも、100分の1しか思いを
伝えられないのは、もどかしい限りですが、三番叟まわしの門付けはパーソナルな文化で、第三者(門付け先以外)
には見えません。辻本は、その部分をパブリック(公)の場に出し、多くの市民がそのアイデンティティを楽しみ
再評価できるように企画しています。2月11日に滋賀県草津市で行われる人権啓発イベント「近江路に風光りなむ」
もその一環です。徳島県では3回企画しましたが、地元芝原のむつみ祭では20年間継続しています。負のイメージ
払拭は、芸そのものが持つ魅力と部落差別を許さないという強い意志が相まって実現すると辻本は言います。
私たちは、かけがえのない民俗文化の伝承者として肝に銘じなければなりません。一層の発展をめざして努力してまいりますので、ご支援いただけますようお願い致します。

2010年1月
各地での公演

 11月末から12月中旬まで、各地で開催された人権講演会に出演。彼女たちは、空腹に負けず、泥水をすすりながら伝承した芸であることを多くの方々は分かってくれています。私たちは、川に人形を流さざるを得なかった先人の思いを、自らの解放運動に織り込みながら歩んでまいります。
 津市殿木地区の開墾200年記念の集りに招かれました。ふるさとの歴史や文化を聞き取ろうとする若者たちと出合いました。約30年前に聞き取りを始めた私たちと重なりました。私たちは二度目の公演でしたが、新たな出会いを楽しめました。伊勢万歳の村田さんたちと共演です。2月11日にも草津市で共演させて頂きます。会場は、しが県民文化創造館ホールです。



ムラの「味・匠」に注目集まる


 三重の「屋台ラーメン」に舌鼓。殿木地区に絶品のラーメンを味わえる店がある。二度目の客である私に、チャーシューをてんこ盛りしてくれました。目の前で若い頃の苦労話を語ってくれる大将の連れ合いは、ムラの岩下志摩似のおばちゃん。お近くの方は、ぜひお立ち寄りください。
 関西TVよーいドン「隣の人間国宝」で、芦原橋を散策していました。駅近くにオープンした「アトリエ西濱」を月亭八光が立ち寄り取材。放映の1日前に、私たちは工房を訪ねました。手作りの靴をぜひご注文ください。安いんです。一生物の履き心地をどうぞ。

今年も年末は大忙し

 
ムラのデイサービスや夜間学校・生活文化学級の取り組みに大忙し。大阪で開催された解放大学三五周年記念パーティーにも、三番叟が飛び入り出演。えべっさんから振る舞われる御神酒に大歓声。ますますの発展を祈ります。


 2009年最後の公演は路上でした。(徳島市内の東新町とアミコ)

 1
2月31日午後6時20分、門付けに出発しました

 年明けの午前0時から、徳島県西部を中心に門付けします。今年の元旦も厳しい冷え込みです。温度は0度を切る寒さです。家々に正月神を誘い、福を届けます。多くの方々は、舞台での姿しか見れませんが、正月を迎えた家人を前にした彼女たちのでこまわしは、まさに神の手となります。現場を見つめているのは、門付け先の家人だけです。半世紀以上三番叟を迎えたおばあちゃんを幸せにできるかどうかが問われます。1月のスケジュール表には門付け先(青文字)で埋まっています。1月5日午前11時には、西宮神社の百太夫(傀儡師の始祖)祭に参

2009年12月31日
ユネスコ「ACCU賞」授賞式とワークショップが行われました。

11月13日~15日の3日間、徳島市内に8カ国の代表が集いワークショップと授賞式を行いました。
辻本顧問は、部落差別により姿を消した門付け芸の現状や課題を訴えました。

差別を恐れて、川に流さざるをえなかったえびす木偶を、各国の参加者に紹介。
平和・人権・環境と無形文化遺産の関係は、世界共通の課題であることを確認しました。

賞状とメダルを受ける阿波木偶箱廻しを復活する会授賞式後の懇親会でフランスのカズダナールさんと談笑
13日と14日の二日間、受賞した各国の関係者は取り組みや課題の報告を行いました。15日は、犬飼農村舞台でメダル授与式と実演を楽しみました。
「阿波文化創造賞」を受賞しました。
知事と記念写真に収まるえべっさん10月27日付 徳島新聞

        県内外で講演徳島→大分→ユネスコ→鳥取→東京→徳島→
                               →広島→大阪→三重→徳島→愛媛→徳島→大阪
 10月末から12月中旬まで、県内外で講演を行います。年末は、「三番叟まわし」の門付け準備に追われます。
1月1日の午前0時から門付けを始めます。数百年続く正月神事ですので、私たちは年末から世間を離れます。
毎年決めた日時に決まった民家を言祝ぎます。私たちは、神々の世界と人間界をつなぐ役割を持ち、
正月神を誘います。門付け先の皆さまと私たちの共同作業で、阿波の正月文化を伝承します。

11月10日・11日:中津工業・中津東高校(大分)
 高校再編途中の高校を訪ねました。定時制と全日制での講演でした。私たちの仲間が勤務する高校です。
新しい校風を創造する節目に招かれて、学校文化に「人権尊重の軸足を」と訴えました。
 定時制で頂いた給食は懐かしい温かさを感じさせてくれました。(ごちになりました)生徒数が少ないので、
箱廻しを目の前でご覧頂けました。定時制の皆さんには、「一番弱いものが一番強い生き方ができるものと私は思う」
(生田花世の言葉)を贈ります。
 全日制は大人数でした。舞台での実演になり、新調した松板目・竹板目の前で三番叟を実演しました。
本来の門付け芸は、人と同じ地平で木偶を操ります。部落差別により姿を消しかけた無形文化遺産のひとつです。
すでに多くの部落文化が姿を消してしまっています。日本の民俗芸能の礎を担った人びとの痛苦を感じ取り、
差別は破壊する凶器であることを学んでください。現代に生きる私たち地球人にとって、平和・人権・環境は何物にも
代え難い物です。戦争・差別・環境破壊は、決して許してはなりません。


 講演後に嬉しい出会いがありました。当校に在籍するA君です。彼は中津市内の古要神社で神楽を舞う若者です。
昨年の奉納舞を私たちは観ました。(感動です)古い歴史を持つ古要神社の神相撲(傀儡)は、三年に一度奉納されます。私たちは以前から古要神社の神相撲を楽しんできたファンなのです。
             
ユネスコ・アジア文化センター主催のワークショップで交流
 11月13日~15日の三日間、徳島市内でワークショップと授賞式が行われました。フランスとオランダの学者も参加し、地球規模の課題である無形文化遺産の伝承等について、各地の取り組み報告や意見交換を行いました。自由で平等な空間での発言は学ぶべき点が多々ありました。私たちの「三番叟まわし」の伝承については、厳しい賤視に苦しみ
川に流さざるを得なかった文化を紹介しました。被差別部落・アイヌ民族・沖縄の文化を看過して日本における民俗文化を等身大に見ることが出来ないことを伝えました。また、その民俗文化の伝承や復活の必要性を訴えました。参加したキューバ・ウズベキスタン・ブルキナファソ・パキスタンからも、宗教・貧困・戦争・民族問題などの課題が出てきました。
文化活動を通じて、平和・人権・環境を訴え発信していくことの大切さを再認識させられました。
 15日には、犬飼農村舞台でそれぞれの芸能を披露してくれました。農村舞台の会は、寿式三番叟や襖からくりを実演。襖が織りなす世界に参加者は驚嘆していました。長浜(滋賀)は、山車の演奏を実演してくれました。派手な山車に隠れて演奏される音色は、子どもから若者までが集う共同作業。
この地道な取り組みが、長浜の祭を支えています。
(拍手)

キューバやブルキナファソのダンスは、民族を越えて人間の熱い響きを感じさせてくれました。動きが、獅子舞に似ているのに驚きました。地球上の民族はつながっていることを感じました。
開会時に記念撮影犬飼で記念写真親しくなった参加者と犬飼で


 仲良くなった参加者とスナップ。私たちの研究所へも立ち寄ってくれました。

         「餅ばな」で迎えてくれました
11月21日:琴浦町(鳥取)

 すでに大山は雪化粧です。琴浦の解放文化祭に招かれました。会館の空気がとてもいいんです。空気清浄機の
醸し出すオゾンではなく、会館スタッフが醸し出す人間のオゾンでしょうか。展示物も手作りで、暖かい中にも凛とした
解放への気概を感じられる内容でした。おもてなしの食事がいい。すべて手作りのごちそうでした。(おいしかった)
 高校生の「水平社宣言」朗読から始まりました。町長も最後まで講演に参加してくれました。仕事以外でも立ち寄りたい隣保館でした。土産にいただいた獅子ゆずは、研究所に飾っています。


             大衆芸能の聖地で実演
11月25日:浅草公会堂(東京)

 冠雪の富士を左にして東名を走りました。東京浅草での講演です。60分の制限で十分な解説が出来ませんでしたが、箱廻しやえびす舞を鑑賞していただくことを第一義と居直りました。辻本の話は消化不良気味でした。(申し訳ない)
 ここ、猿若町・吉原の「悪所」は面白い。ここで江戸文化が花を咲かせ、人びとに潤いを与えたのですね。(実感します)「もしこの世に、風にゆれる『花』がなかったら、人の心はもっともっと、荒んでいたかもしれない」とは、中原淳一の言葉。この『花』が大衆芸能にはある。この「悪所」は、人びとに生きる活力を再生させたに違いありません。私たちもこの「悪所」の空気を胸一杯に吸い込みたいです。
 この浅草公会堂では、歌謡ショウなどの興行の他、歌舞伎も公演されます。一昔前には、ドリフターズの人気TV番組の公開録画も行っていたそうです。

2009年12月

「阿波路に風が吹くパートⅢ」~じんけんを楽しむ~
北島創世ホールに集った約350人は韓国と日本の民俗文化を楽しみました。

①「阿波文化創造賞」を受賞しました。
10月27日付 徳島新聞

  ②ユネスコの研究ワークショップが、11月13/14日に徳島市内のホテルで開催されます。(非公開)
   15日には、犬飼農村舞台で「ACCU賞」のメダル授与式と受賞チームの実演が一般公開されます。

第21回むつみ祭がにぎやかに
 
10月25日から30日の間、むつみ会館をメイン会場にして文化祭を開催しました。初日の屋外イベントには、たくさんの方々が参加してくれました。「バナナのたたき売り」や「韓国の仮面劇」を楽しみながら、韓国や中国・フィリピンなどの食文化交流とムラの「ひっかりぞうすい」などを味わっていただきました。
 屋内展示では、生活文化学級生の作品や識字学級生の藍染め共同作品に加え、リニューアルされた教育集会所の「暮らしの資料展」が注目されました。


       「ウエルかめ」のイベントで阿波の文化を紹介
 
10月31日に、NHK大阪で行われたイベントに参加しました。朝の連続テレビ小説「ウエルかめ」に出演の倉科カナさんらも、徳島の物産を宣伝してくれました。会場で出合った大阪のおばちゃんは、東京が作る番組よりも大阪の作品が「おもろい」とべた褒めでした。私たちも毎朝楽しみにしています
 主演のカナちゃんは、とても感じがよい娘さんでした。

ゆるキャラ「すだちクン」と「ウエルかめ」出演者

        来春に休校の重清北小学校を訪ねました
 11月4日、美馬市の三頭トンネル近くにある小さな村を訪問しました。地元の敬老会に招かれて、三番叟や「えびす舞」で高齢者をねぎらい祝福しました。この小学校では、3人の生徒が仲良く学んでいます。とても素直な視線を私たちに向けてくれました。すぐに友達として受け入れてくれます。彼女たちは、来春から近くの中学校と小学校に通います。村自慢を聞かせてもらうと、「人が優しく親切だ」「自然が残っていて空気がうまい」と語ってくれました。それが最高であることを、都会に出て働く若者は忘れます。でも、還暦近くなるとその大切な財産に気づきます。航空写真用に引かれた2009の文字に収まってもらいました。彼女たちの未来に「福をどうぞ」。

小さな講演会重清北小学校校庭にて

              秋の出来事
 
野掛け人形芝居に出演しました。ボランティアスタッフの皆さんも大汗をかきながら頑張っていました。人形芝居もさることながら、景色がとても素敵でした。米の収穫後に耕すと、ミミズがたくさん出てきました。農薬を極力使用しなかった成果と大喜びしました。ビオトープまでならずとも、様々な生物と共存できる野菜づくりができればと願っています。NPOヒューマンネットの仲間や、在県の外国人の方々とじゃがいもを植えました。年内の収穫は難しいかもしれませんが、すでに芽を吹き葉がたくましく育っています。
 韓国の人形劇人アンさんが研究所を訪ねてきました。故人となった人形恒さんの工房や天狗久資料館を案内しました。



2009年10月

「阿波路に風が吹くパートⅢ」~じんけんを楽しむ~
★新着情報 
①「阿波路に風が吹くパートⅢ」~じんけんを楽しむ~

(徳島県みんなが主役の人権啓発事業)

韓国仮面劇団・旭堂南鱗(がまの油売り・バナナのたたき売り)・箱廻し他
10月24日(土)午後1時30分~4時15分  入場無料
北島町立 創世ホール
(徳島県板野郡北島町) 定員300人(先着順)

②第21回むつみ祭 大道芸の世界や、外国の食文化を楽しめる催しです。
 屋外イベント
2009年10月25日(日)10:30~14:30
 芝原公園 (むつみ会館南隣)

 屋内展示 10月25日9時17時~10月30日9時~12時 むつみ会館

ています。特に、夏休みは利用が多くなります。近所のおばあちゃんが、半世紀前の暮らしや仕事に加えて、差別をはね返して「どっこい生きてきた」姿を語ってくれました。若者が、友人と共に生きていくうえで貴重な話です。人をたいせつにして生きるには、人権を尊重する性根が大事だと語ってくれました。

        新宿のプーク人形劇場に出演しました
9月12・13日の二日間、プーク人形劇場(東京)の「伝統人形は今」に出演しました。
「三番叟まわし」の実演は、一日目に「地鎮祭」、二日目は「家祓い」を行いました。これらの中味は、パブリックな場では滅多に見られない内容です。下の写真右は、地鎮祭の結界での記念写真です。
会場にお運びをいただいた方々や劇場スタッフの皆さまに、厚くお礼申しあげます。地元新宿の祭にも参加させて頂くなど、貴重な体験もさせて頂きました。


          「西宮まつり海上渡御祭に参加
9月23日に、西宮神社渡御祭に招かれて参列しました。総勢400人余りが、西宮神社から和田岬まで船渡御と陸渡御を行いました。伝説によると、えびす様は淡路岩屋から和田岬に流れ着いたそうです。その後、西宮に渡りえべっさんとしての名を広めたといわれています。西宮神社の渡御祭は、2000年に400年振りに再興されて、西宮浜を周航する船渡御を行っています。今年は、古式に則った「産宮参り」を行いました。


      
INAKA博覧会オープニングイベントに出演
9月26日27日の二日間、アスティとくしまで開催された「INAKA博覧会」に出演しました。ステージ出演の
他、NHK朝の連ドラ「ウエルかめ」の隣ブースで箱廻しの実演や木偶操り体験を行いました。来場者からは、なつかしい「三番叟まわし」を観たかったから来たとの声をいただき、四国の方々にとって正月の三番叟は大切な無形文化遺産だと再確認できました。

2009年8月

阿波踊りの熱気渦巻く街並みで、箱廻しを実演。投げ銭を頂戴しました。

8月12日東新町で童学寺山門前で
 阿波踊りが開幕しました。初日12日の午後、東新町アーケードで箱廻しを実演しました。
  箱廻しを記録しました。現在は、胡弓を加えて大正期の雰囲気を再現しています。

          法市農村舞台に大学生を招いて
関西学院大学生の数名と村人が交流(7月31日)

今年の藍は元気です。3月末から藍を建ててきましたが、生活文化学級生は染まり具合に大満足。
10月25日の「第21回むつみ」で一部を展示します。
来夏用の葉藍が成長しています。この猛暑の中、刈り取りを行います。
勇気ある人は、ボランティア参加してください。畑は上板町です。     
   

毎夏、県内外の教職員や行政関係者が、芝原をフィールドワークします。
徹底的に熱い夏を体験していただきます。ムラの暮らしを多くの方々に見ていただき、
部落問題学習や人権啓発に役立てていただきたいと願っています。
現在、芝原教育集会所(むつみ会館2階)の資料展示室を再構築しています。
大阪万博直前の暮らしを再現して、ムラのおばちゃん方に
語っていただけるコーナーを制作中です。お楽しみに。


                          研究所近況
 
研究所の倉庫では、藍染めを楽しんでいます。藍が熱で傷まないようにゴーヤを40本植えました。かわいい実を付けてきました。生後5カ月の愛犬が7月5日に初めて散歩しました。(右:いっちゃん左上:ポクちゃん左下は女の子のヒメちゃんです。よろしくね。4番目の男の子は、島根の親戚で暮らしています。)

2009年7月

  企画展示と公演
 6月下旬は、徳島城博物館での展示と公演に集中しました。
 
展示は残り1週間となりました。多くの方々にご覧いただければ嬉しいです。
「三番叟まわし関連用具」「えびすまわし木偶」「箱廻し木偶」「人形師天狗久用具」の展示です。
7月12日(日)午後1時30分から滝山館長による展示解説を予定しています。


6月27日の公演には関心を持つ方が県内外からお運びいただきました。(写真下)

               
 蘇った山里の宝
 三好市西祖谷山の後山で農村舞台が蘇り、本会が杮落しに三番叟を演じました。襖からくりが見事でした。境内いっぱいのギャラリーからの拍手が鳴りやみませんでした。都会の真似でなく、地の文化と向き合う姿は誇り高く映りました。阿波衆はこれでなきゃ!(6月7日)

          
お台場(東京)と太秦(京都)に阿波文化の香りを
 
徳島の文化をお江戸に運びました。阿波踊りに、いま旬なまちづくりで輝いている上勝町。箱廻しも徳島の魅力を発信する事業をお手伝いさせてもらいました。ちなみに、フジTVの社員食堂で超人気メニューが登場して話題になっているのをご存知ですか?その名を「徳島丼」と言うらしいです。徳島ラーメンの汁をご飯にぶっかけて食べたらおいしいだろうという社員の発想らしいです。(噂で未確認です)(6月13日)
 翌日の14日には、京都太秦映画村で「浄瑠璃100選」(今秋10月開催)宣伝に一役買いました。
実演を始めるとすぐに人だかりができます。箱廻しは、テンポよく外題を変えていくので、歩く客を掴めます。中には、大阪の公演を見ましたよと声を掛けてくれた家族連れもいました。(嬉しいですね)当日は猛暑に苦しみましたが、素人のコスプレ愛好者の集いがあり、思いがけないジョイントが実現しました。場馴れしている娘は、箱廻しの木偶に負けじとポーズを決めていました。


               
福島の名刹で箱廻し
 
東北にある曹洞宗の名刹に招かれました。箱廻しの実演を楽しんでいただきましたが、名物和尚は中々の文人です。人権問題も十分織り込んで話してくださいとのこと。住職は辻本の大学の先輩です。和尚が持つ二つの寺で実演しました。下の写真は、住いする寺より小さいのですが自然と調和した古寺で、誰の心をも包み込む雰囲気を持っていました。前日に、井戸が掘れたということでしたので、三番叟まわしでは「水神」を拝みました。下右の写真は、お世話役の方々との記念写真です。ありがとうございました。多謝!(6月21日)

2009年4月
パリ公演と市内散策紹介
「イマジネール・フェスティバル」(パリ)会場前で。(写真左)          
エッフェル塔前で実演。中国からの旅行客と記念写真。(写真右


地下鉄に貼られたフェスティバルポスター。
             インドの女性(72歳)が演じる大道の操り。次世代に受け継がれず消えていく。


門付け先と共に伝統芸能を受け継いだ例として紹介された「三番叟まわし」。(写真左)
カナダケベック州の人形戲。厳しい戒律で禁止された楽しみをパブリックな場に持ち出した女性。(写真右)


 フランス国立東洋言語文化大学の日本文化を専攻する3年生のクラスで辻本が講義した。
 日本通の教授や生徒は、「三番叟まわし」に関心を示してくれた。今後の交流が楽しみ。

 パリ市街地で実演。さすが芸術の都、ピカソやシャガール、ダリや藤田嗣治が愛したカフェ・ラ・ロトンド内でも実演。モンパルナスの芸術は、ここから始まったと言われる聖地。異文化が集積して世界の芸術を生み出したパリの風土は、寛容で間口が広い。阿波木偶を見るなりマスターはOKサインを。(写真左)
                  街角で出合ったアフリカ系の子どもにショートパフォーマンス。(写真右)

 瀟洒なシャンゼリゼ通りは歩かず、移住者が多く住む下町を散策。トルコ、インド、北アフリカのアラブ系住民が住む町には、定職に就けない若者たちが多く目立った。市場は、上野の「アメ横」と大阪の鶴橋に似ている。ふるさとの食材を求めてアフリカ系の人びとが集う。(写真右:イスラムのモスク周辺に集う人びと)

 ルーブル美術館とオルセー美術館で一息。第一日曜日は、入場無料でラッキー。

 地下鉄構内でバイオリンを演奏するアーティスト、もちろん無許可。
モンマルトルの丘で出合ったパントマイマー。パトロールする警察官を見かけると、カフェでパスタを注文していた。化粧を落とさず、長い足を組んでフォークを持つ仕草も絵になっている。思わず2ユーロの投げ銭。心得た彼は、優しいウインクを返してきた。プロです。

     
 初日(4月4日)の夜は、モンパルナスで食通が通うクレープ屋で夕食。行列ができる店で、30分待たされたが、出てきたソーセージ入りの蕎麦粉生地のクレープに感激。ブルターニュ地方からパリに出てきたおばちゃんが始めた郷土料理。

 
私たちの宿は、この店の近く。小さなホテルだがミシュラン2009のステッカーが貼ってある。何でこのホテルが…。翌朝、玄関に刻まれたプレートを見て驚き。1891年にゴーギャンが滞在して絵を描いたホテル、ダダイズムを興したブルトンも利用した宿。予約してくれた世界文化会館館長の配慮もお洒落だ。

2009年3月
じゃがいも植え
 2月初旬に、NPO法人ヒューマンネットとくしまの仲間と在県外国人の家族が、じゃがいもを植えました。
30メートルを15畝、無農薬でどこまで育つか楽しみです。姜(カン)さんは、子どもが土に触れる作業に
親しんでもらいたいと参加しました。カタリーナは、ペルー料理に欠かせないじゃがいもとほうれん草に
興味を示します。昨年の豊作に気を良くした会員は、5月の収穫時にどれだけのコンテナが必要かと
計算に余念がありません。デイサービスに参加しているおばちゃんにもおすそ分けしましょう。

取材で門付けに同行しました。(三好市山城町)
  
         人形芝居とトークで人権文化を楽しむ
 
3月2日に、つるぎ町で人権啓発イベントを行いました。(主催つるぎ町)
香川県から人形劇「たけのこ」(西畑人形)を招き、辻本と在県外国人が愉快な人権トークを
披露しました。もちろん、「三番叟まわし」や「箱廻し」も楽しんでいただきました。
文化を堪能しながら人権を共有する試みを積み重ねています。


                富士山と桜エビ
 東京への移動はもっぱら高速道路。いかにも味気ないですね。人の暮らしが見えません。
どの道も同じ匂いです。できれば一般道をゆっくりと走りたいものです。
 高速道路でのいちばんの楽しみは食事です。東行きでは、富士山の麓にある
サービスエリアで、桜エビのかき揚げ丼を注文します。これが旨いんです。


          どちらが似合うか「門付け芸
 3月6日に開催された「門付芸・舞の宇宙」に出演のため、お台場で前泊しました。
ホテルからのオーシャンビューは、レインボーブリッジと東京タワー。
翌日の午前中に訪問した「江戸博物館」の景色と重ねてみました。


             「門付芸・舞の宇宙」
     祝福と予祝~小沢昭一と門付け芸人を迎えて
      (3月6日明治大学駿河台リバティーホール)


淺草雑芸団のみなさんと(上)          小沢昭一的こころ(下)

 内容は次の機会で報告にと考えています。それにしても80歳の小沢さんはお元気でした。
年取ったことをアピールしながら、節々でそれを覆しては笑いをとる。
中でも、「こうもり傘の修繕~」「あーいかけ屋っ」と一節がたまらない。
どうか徳島においでなして欲しいと願うばかりです。
 会場には、狭山から石川一雄さんと早智子さんの姿が…
思わず、中内が「無罪」を願って御幣を一雄さんに手渡していました。
 大雨の中、多くの方々が集ってくれました。私どもにも多くの励ましを頂きありがとうございました。
出演後は、高知市に向かって東名高速を西進。1週間ほど腰が痛みました。

2009年1月
      福を届け、歩いています
 1月1日の午前0時、年明けとともに「三番叟まわし」の門付けを始めました。毎年決まった日時に福を届けます。今年は、たくさんの子どもさんの笑顔と出会えました。
 1月26日は旧正月です。民泊しながら5日間歩きます。

1月1日(東みよし町にて)      1月14日(三好市の山間部にて)    1月15日(美馬市脇町山間部にて)
     NHKラジオで、元旦に中継されました

 おめでとう日本列島
「まわす門には福来たる!三番叟まわし」

 1日の午前11時40分頃に、三好市の門付け先から生放送で、全国の皆さんに福を届けました。各地で聴いて頂いた方からたくさんの電話やお手紙を頂きました。
      徳島新聞 正月版で紹介されました
 1日の正月版に、阿波木偶箱廻しを復活する会の取り組みが、2面にわたり紹介されました。
徳島新聞正月号1/1
     西宮神社の百太夫祭でえびす舞や箱廻しを奉納
 毎年恒例となっている百太夫(くぐつの始祖)祭での奉納。
 1月5日の午前11時~12時、西宮神社百太夫殿前でえびす舞や箱廻しを実演奉納しました。毎年参加者が増加しています。早くお運びいただいた方の多くがリピーターです。地元のNHKも祭の様子を放映しました。午後3時には、西宮ガーデンでえびす舞などを披露しました。

           淡路仮屋のえべっさんに

 1月10日に、淡路の東浦町仮屋漁港にある事代主神社で、活鯛を釣り上げるえびす舞を奉納しました。あいにくの雨模様でしたが、本殿前で参拝者に福分けしました。思いがけない福との出会いに、参拝者は大喜びでした。

      菊二のアトリエを訪問
 12月4日に、川崎市の山下昌子さんを訪ねました。山下菊二のアトリエは、そのままの状態が保たれていました。菊二が幼少時に見た三番叟やえびすの木偶操りを演じました。永く菊二を支えた昌子さんも喜んでくれました。

         山下菊二情報

 徳島県辻町出身の画家(1919~1986)。東洋のピカソと称されるほど評価が高い。『あけぼの村物語』は代表作。『戦争と狭山裁判』では、石川一雄さんの冤罪を訴えている。『わたしと鳥と音楽と』の作品群に、秀作『恵比寿まわし』がある。現在、徳島近代美術館で公開されています。(1月中旬まで)また、本年9月~10月にかけて、企画展が計画されています。実兄の谷口董美の版画作品も見られます。董美は、箱廻しも描いています。

2008年11月

 久斗文楽の地を歩きました
 9月29日、兵庫県豊岡市日高町の但馬国府国分寺館に寄託されている木偶の調査に行きました。日高町は、古くから人形熱が高い土地柄で、安政年間から地元有志の努力によって久斗文楽は栄えました。1962年)に休止。
 当時使用された木偶や衣裳が残されています。徳島の人形富や天狗久をはじめ、大江順、淡路の由良亀などの木偶が27体国分寺館の資料庫で保管されていました。
 鳥取から日本海沿いを東進した箱廻し芸人の足跡は未確認ですが、久斗の地を素通りするはずはありません。手がかりを求めて調査したいと願っています。
     INAKA博覧会で箱廻しを実演
 10月4日5日の両日、アスティとくしまを会場にして開催された「INAKA博覧会」で、三番叟まわしや箱廻しを披露しました。阿波の暮らしに根付いた箱廻しの紹介には、最高の舞台です。玄関口にセットした箱廻しの人形に、来場者も興味を示してくれました。特に、親子連れは長く足を止められて、即興の木偶操りを楽しんでくれました。高齢者には三番叟まわしが大人気です。「なつかしい」と昔の正月を思い出していただけました。
  小屋掛公演阿波人形浄瑠璃芝居を楽しむ
 10月11日、徳島城博物館前に特設された小屋掛けで、古き時代の人形芝居を楽しみました。阿波木偶箱廻しを復活する会のメンバーは、ボランティアでチラシ配りや案内を手伝いました。舞台にさくらの枝が重なって、とてもいい雰囲気です。参加者は、存分に阿波の文化を堪能されたと思います。襖からくりは最高でした。
古要社の「くぐつ」と、宇佐神社の放生会を見学
 10月12日、大分県中津市にある古要社で開催された古い人形戯を見に行きました。徳島の小屋掛公演に参加した後、数時間仮眠しての出発です。武蔵野美術大学の神野先生に同行しました。和間神社で昼前に行われる「放生会」にどうにか間に合いました。放生会は二度目の参加です。昼食は、名物の「鳥めし」とゴボウのかき揚げうどんを味わいました。鳥めしがうまいこと、甘党の辻本はほのかに甘い鳥めしをおかわりしていました。
 古要社に行く前に、友人の牧野さんに宇佐神宮などを案内していただきました。中内は、三番叟用の鈴を数本買い求めました。以前から、宇佐神宮の鈴を使っています。
 古要社の「くぐつ」は三年に一度奉納されます。吉富町の「くぐつ」は、四年に一度の奉納です。今年は、双方とも奉納される年回りでした。以前の取材では、両方の木偶を拝見しましたが、特に古要社の「くぐつ」は、1968年に阿波の三番叟まわしと東京の国立劇場で共演した関係で、木偶収蔵庫にも入れていただき、西暦600年代の古い木偶を間近に拝見させてくれました。「神相撲」は圧巻で、6年前に見た感動が蘇ってきました。境内では、名古屋の文学博士加納さんと再会しました。先生方は、取材時には少年に戻っています。現場にいることが楽しいんです。
       子ども伝承教室in法市
 10月14日、東みよし町の法市農村舞台を会場に、子ども伝承教室を開催しました。東みよし町の昼間小学校の児童が対象です。法市農村舞台保存会の細川会長さんが、農村舞台の歴史や、文化財保存の大切さを語られました。阿波木偶箱廻しを復活する会は、三番叟まわしや箱廻しが果たした文化的貢献を説明しながら実演しました。子どもたちへの伝承は、木偶操りだけでは限界があります。参加する少年少女の新鮮な感性を信じて、人びとに福を運んだ精神性まで伝えなければなりません。
 今後も、各地で伝承教室を開催します。
     じんけん文化を楽しむ
      太鼓と猿と雑芸と
 10月25日、吉野川市鴨島公民館で人権啓発事業を開催しました。徳島県が募集した県民自身が企画する人権啓発事業です。昨年は、「門付け芸の世界とじんけん」と題して、21世紀館で開催しました。伊勢萬歳や尾道春駒と韓国パンソリとの共演でした。今年は、「太鼓と猿と雑芸と」と題し、太鼓集団「魁」(大阪)・猿舞座(山口)・浅草雑芸団(東京)と箱廻しの共演でした。多様な啓発事業が求められる今日、被差別民が築いた伝統芸能を心から楽しめ、再評価できる情報の発信は、啓発効果大と考えます。それには、磨かれた一流の芸が求められます。
 参加してくださった430名余りの方も満足していただきました。ご協力いただいた見なさまに厚くお礼を申しあげます。
       第20回むつみ祭
 10月26日、芝原公園とむつみ会館を会場にして、第20回むつみ祭を開催しました。小雨が降る中での開催でしたが、たくさんの参加を得ました。食文化を通じて外国人や障害者との交流は、理屈を超えます。魅力的です。部落差別もしかり、太鼓集団「魁」のたくましい音がムラ中に響きました。部落差別撤廃を太鼓の響きに載せる若者の力は、みずみずしく人を感動させる美しさを持っています。
 部落差別の撤廃なくして人権尊重のまちづくりの実現はあり得ません。広く市民と共有できる「人権広場」としてのむつみ祭を来年も体感してください。
 ご協力いただいた多くの市民の方々に多謝。
   三加茂中学校で三番叟まわしの授業
      
「つなげ箱廻しのこころ」
11月7日、
東みよし町の三加茂中学校二年生三学級で正月の三番叟まわしに関しての公開授業が行われました。これは、文科省指定中学校人権教育研究発表会で、二年生が町での聞きとりを行ったり、本会との交流を通して三番叟まわしの文化を再評価して、部落問題学習につないでいく内容でした。江戸時代から現代まで、旧正月に三番叟まわしを迎えているのは私たちのふるさとだという認識から、箱廻し芸人が激減した社会に部落差別を見いだし、反差別の感性を豊かに育む道筋が提起されています。
この素晴らしい教育実践は、県下各地に使用できる内容となっています。県下各地での展開を期待しています。
   
NPOヒューマンネットとくしまからお礼

        じんけんを楽しむ
       
太鼓と猿と雑芸と

 10月25日(土)、吉野川市鴨島公民館大ホールで、県委託事業の人権啓発事業 阿波路に風が吹くパートⅱ を開催しました。会場にお集まりいただいた約400名の皆様にお礼申しあげます。また、鴨島公民館や吉野川市・阿波市をはじめ、ご協力いただきました関係の皆様ありがとうございました。また、ご周知から会場設営までたいへんお世話になりました。深く感謝いたします。ご協力いただいたおかげで、楽しく賑やかに人権を楽しむことができました。多く寄せられたアンケートには、満足いただけた内容が満載でした。毎年継続して欲しいとの声も寄せられています。
    第20回むつみ祭を開催しました
 10月26日(日)~31日(金) 、芝原児童公園・むつみ会館を会場に文化祭を行いました。26日には、在県外国人(ペルー・中国・韓国・フィリピン)をはじめ、眉山園・点訳サークルコスモス・青年海外協力隊の皆さんとの文化交流を中心として、近隣住民を交えて人権交流を行いました。猿回しや太鼓グループの応援もあり、充実した一日となりました。辻高校生もボランティア参加してくれました。
 むつみ会館では、保・幼・小・中と識字学級や自主活動のグループによる作品展示が充実していました。
 来年も、楽しい人権文化ゾーンにご参加ください。

2008年8月
企画中の冊子が『阿波のでこまわし』として発売されます。A5版112ページ 定価1400円+税各地の解放研究所や書店で購入出来ます。
6月15日が発売日です。出版元は、解放出版社(注文やお問い合わせ先06ー6561-5273)本会でも販売します。メールからご連絡ください。

    口絵32ページに足跡をちりばめて
 阿波木偶箱廻しを復活する会の足跡を写真で紹介しました。また、写真家吉成正一さん、津田幸好さん、関口務さんから貴重な写真を提供していただきました。そのことにより、半世紀前の正月が蘇ってきます。三番叟まわし・箱廻し・えびす大黒まわしの姿が生き生きと記録されています。辻本が記録した旧三好町の芸人の姿も記録しています。先に出版した『でこまわし』には盛り込めなかった箱廻しの写真にも期待してください。
       光太郎とデコチンさんに注目
 本文では「ばあやんからのメッセージ」と題して、阿波のでこまわしと人権問題について語り込んでいます。講演会記録から辻本が話した内容を抜粋して、簡潔で読みやすい文章にしました。(1時間で読めるかも)短い話をたくさん入れています。辻本の推薦は、「光太郎の文鳥」「人間教えたって」「デコチンさん町」だそうです。

      韓国の文化と人権を学ぶ
 人権尊重のまちづくりを取り組む中で、外国人との共生を考えようと、在県の外国人を招いての学習会を積み重ねています。今まで、ペルー・中国・フィリピン・インド・韓国などの方々と交流学習会を持ちました。 
 7月19日には、徳島市在住の姜(カン)さん(韓国出身)を招いて、韓国の文化を学習しました。参加者は、ハングルで自分の名前を書いてみました。ハングルは合理的な言語で、私たちにも理解しやすく感じました。参加した講座生(82才)のおばあちゃんも、すぐに名前が書けるようになりました。
 姜さんは、毎年むつみ祭(秋の文化祭)にも参加してくれて、チヂミやキムチは大人気です。皆さんも味わってみてください。
       野掛け芝居を堪能
 7月20日に開催された、野掛け芝居で西畑木偶芝居を楽しみました。会場は、香川県三木町の木偶塾広場です。ムラの高齢者を誘って参加しましたが、おばちゃんたちも懐かしい雰囲気に満足してくれました。主宰の池原さんが操り語る『岩見重太郎大蛇退治』は、何度観ても飽きません。子どもたちが演じた『チャンバラ』では、精一杯操る子どもたちへ大きな拍手が贈られました。確実に伝統人形芝居が次世代に繋がっています。
 辻本は、会場で販売されていた博多の木工職人手作りの「継ぎ箸」(携帯用のマイ箸)を購入して満足していました。「エコ箸」の趣旨は良いのですが、食べ過ぎは困ります…。
    韓国の人形劇フェスティバルに参加
 7月23日から6日間、韓国アラリ人形劇博物館やチョンソン文芸会館などで開催された、人形劇フェスティバル2008に出演し箱廻しの「三番叟まわし」を実演しました。日本からの出演は、「八王子車人形」と「たけのこ」、「たんぽぽ」と私たち「阿波木偶箱廻しを復活する会」です。韓国内からは、「パッペットシアターSEOUL」をはじめ8グループが参加しました。数日間の大雨でも、中身の濃いフェスティバルとなりました。
 私たちが演じた三番叟まわしは、韓国の子どもたちはどう感じたのでしょうか。箱から次々と大きな衣裳人形が出てくるのに驚いていたのと、三番叟が目を見開き口を開けた瞬間には、大きな反応を見せていました。大人たちも天秤棒で箱を運ぶ姿を新鮮に見つめていたようです。その反応は、日本の人びとが見せる反応と同じでした。考えてみると、初めて三番叟を観る人にとって、詞章の意味はほとんど理解できないのですから…どの国で実演しても同じなのかも知れません。門付けで迎える人びとは、別な思いが存在しますが。ただし、エビスで福分けすると、門付け先と同質の幸福感を見せながら微笑みました。これは、ドイツの市民広場で福分けした時も同じでした。エビスの笑顔は、国境を越えているんですね。
 八王子車人形五代目家元西川古柳さんは、三番叟とフラメンコを披露。西畑人形芝居の大御所朝日若輝さんは、言葉の壁をもろともせず韓国のギャラリーの心を掴んで離しませんでした。
     子ども伝承教室in芝原
 8月3日には子ども伝承教室を地元芝原で行い、『三番叟まわし』と『箱廻し』を披露しました。集まった子どもたちと保護者の方々が楽しそうに木偶を見つめていました。実演の後は、「梨割り」木偶の体験を子どもたちが行いました。小さな手で木偶を握りしめて、親指でチョイトを引っ張ると、木偶の頭が真ん中から割れて前に、パカッと開きます。待ちかまえていた会場の人たちから大きな拍手がきました。そして、ひとさし指でチョイトを上下させると、目がクルクルと回ります。おどけた表情の木偶と、子どもの操作に、また拍手が起こりました。緊張や恥ずかしげに前に立った子どもたちですが、拍手をもらい得意げな顔をして席に戻って息ました。ドキドキしながら、初めて木偶を握った事を良い夏休みの思い出と、心に刻んでくれたことだと思います。
  NPOヒューマンネットとくしま からお知らせ
 徳島県からの委託事業で、人権啓発事業 阿波路に風が吹くパートⅱ を企画します。
   じんけんを楽しむ
     太鼓と猿と雑芸と

 と き  10月25日(土) 午後2時~午後4時30分
 場所  吉野川市鴨島公民館大ホール
 出演  太鼓集団「魁」(さきがけ・大阪)
      猿舞座(さるまいざ・山口)
      浅草雑芸団(あさくさざつげいだん・東京)
      阿波木偶箱廻しを復活する会(徳島)
 コーディネーター 
      辻本一英

  第20回むつみ祭 開催のお知らせ
 と き  10月26日(日) 午前10時30分~
 場所  徳島市芝原児童公園・むつみ会館
2008年6月
      アラリ人形の家に阿波木偶を展示
 6月4日に、韓国唯一の人形博物館アラリ人形の家(安正義・アンソンミンさん主宰。江原道旌善)に、本研究所蔵の天狗久姫衣装人形と、人形恒作角目かしらを展示しました。アラリ人形の家では、世界各国の人形(約20カ国)が展示されており、無償で一般公開しています。西畑人形芝居の池原さんの仲介により、1年間無償貸与します。今後、毎年阿波木偶を入れ替えして展示する予定です。特に、徳島県が誇る人形師天狗久や人形恒さんの木偶を中心に貸し出ししようと考えています。その事を通じて、アジアの文化交流を進めて行きたいと願っていますので、皆さんも応援してください。機会があれば、韓国の人形芝居を徳島にも招きたいと思います。韓国を旅する機会がございましたら、アラリ人形の家を訪ねてみてください。
 展示を終えた後、旌善郡の文化協会の方々や、市役所の文化担当課を訪問するなど、スケジュール満載。圧巻だったのが、朝から夕食まで完全に韓国食を堪能できたことです。一週間、私たちの胃袋は韓流に色づきました。唐辛子の食文化でした。仲間内で一番人気だったのが、鶏肉とジャガイモや野菜を煮込んだ鍋でした。汁は真っ赤なんですが、いやらしい辛みが全くないのです。七月公演の時、リクエストしてもう一度味わいたいお袋の味でした。ごちそうさまでした。
       端午祭を満喫した二日間
 旌善から東の海に向かって1時間余り車を走らせると、江陵の町に着きました。端午の節句(旧暦・5/5)には、江陵の町を流れる川の両岸にテントを張り11日間祭が繰り広げられます。今回の訪韓目的の一つは、韓国の伝統的な民俗芸能や大道芸が集結するこの祭を見る事でした。安さんのご厚意で丸二日間民俗芸能を堪能することが出来ました。マダン(集い躍る広場)や舞台が多く用意されていました。民俗学者である安さんの案内なしでは、二日で十分鑑賞が叶わなかったと思います。安さんは名ガイドで、たくさんの会場で朝から夜遅くまで展開されているプログラムの中でも、「是非見ておくべき」内容を細かに教えてくれました。近年では、民俗芸能も土着でなくなり、舞台芸に変貌していることや、本来の大道芸も激減しているとの事でした。池原さんの感想も、15年前に見た端午祭との違いは、本物の大道芸人がほとんど見られず、残念である。ということでした。
 そもそも、各地で行われていた端午祭。各町での祭が消えていく中で、江陵市全体が一大マダンになっていました。町づくり、町おこしと叫びながら経済社会での「強い文化」「近代化」を求めた多くの町は、アメリカをはじめとする「勝者の文化」に埋没しています。日本の町づくりも、同じ現象に閉塞感を生んでいますよね。おろかです。グローバル化の中で、生き残るには、勝者の模倣ではなく、ふるさとの文化や歴史を学び、そこに喜びや誇りを見い出す感性が必要であるということを、この祭が指し示してくれました。
 それにしても、韓国中の人が集まったのかと思うほど、民俗芸能を楽しむ老若男女で溢れていたことが驚きでした。阿波踊りで賑わう徳島の50倍と表現したら大袈裟でしょうか。とにかく、11日間楽しんでいるのです。
  TV番組「うるるん…」で見た綱渡り芸人の技
 過日、日本でTV放映された芸人(人間国宝)が、綱渡りを披露していました。彼の技は、吉本新喜劇顔負けの「話術」です。観衆とのやりとりの様子が、芸の8割を占めています。大道芸の知的財産がそこに生きていました。私は、ハングルを理解していませんが、演者と観衆の会話の「間」は見事でした。演者と一体となった観衆も、演者を乗せる技術を持っているということですか。見事でした。
        バザールは、国際的
 集まった露天商はアジアだけでなくアフリカやヨーロッパから集まっていました。私の親も露天商をしていたので、祭の雰囲気には馴染んでいます。大きな川を挟んで両岸に何層にも張られた大型テントは、圧巻でした。私は、韓国の普段着を数点購入しました。時間待ちを利用して書いてもらった辻本の似顔絵は、「冬ソナ」のペ・ヨンジュンに似せて画いてくれました。絵描きさんのジョークでしょうが、横を歩くギャラリーが画かれる絵と私の顔を見比べて笑っていました。一点を見つめて笑顔を作った15分間に、動物園のゴリラの気持ちを少し理解したというのは、ゴリラに申し訳ないのかも。
     韓国に箱廻しの「三番叟まわし」を
 7月末の韓国公演では、素朴な三番叟まわしを実演します。会場のアラリ人形の家周辺で、門付けも行いたいと企画しています。次の次の更新時(8月上旬予定)には、その模様を報告できると思います。
東みよし町内で保存されていた「三好町文化人形座」の木偶や道具一式を取材しました。
文化人形座は、戦前から1960年代まで稼働しました。富士枝林之丞が座主で、箱廻し芸人も活躍しました。


2008年4月


     阿波の至宝「お鯉さん」逝く
 4月6日早朝、阿波よしこので徳島を元気にしてくれた多田お鯉さん(100才)が、他界されました。お鯉さんは、15年前に徳島で開催した全同教大会前夜祭のステージに立っていただきました。私たちが直接お目にかったのは、郷土芸能の舞台でしたが、それをご縁に2004年の正月3日の門付けを受け入れてくださいました。今年の正月は5年目の三番叟でしたが、このホームページでも紹介させてもらっているように、お元気で美しい笑顔が印象的でした。嶮しい山道で木偶を背負い、人々に福を届ける中内たちを優しく見守り応援してくださり、ありがとうございました。
     小野さくら野舞台で、でこまわし

 4月6日には、神山町の小野地区で復活した小野さくら野舞台で、花見を楽しみました。あいにく、桜の多くは枯れてしまっていましたが、椿の花が天と地に美しい舞台を用意してくれました。箱廻しは、いずれもが舞台となりますが、蕪村の句を彷彿とさせてくれました。舞々の 場をもうけたり 梅がもと。舞台では、えびす舞も実演しました。背景幕は、通常の宝船ではなく、桜が舞い踊っている襖からくりでした。さくら野舞台ならではの絶景です。小野さくら野舞台保存会と寄井座の皆さんと記念写真を撮りました。
2008年3月

     三好町文化人形座との出会い
 3月18日に、東みよし町を取材しました。目的は、箱廻し芸人も関係した人形一座の道具を拝見する事でした。阿波木偶制作保存会の秋田さんにも同行していただきました。以前、その道具一式は旧三好町の民俗資料館に展示していた物です。富士枝林之丞が座主となり、箱廻しと由来のある芸人が木偶を操り、戦前から1960年代まで地元の法市農村舞台や香川県で興行しました。道具は、木偶(26体)の他、金糸で刺繍された衣裳や幕、小道具一式です。所有者は、富士枝さんから譲り受けた後、道具が散逸しないように大切に保管されていました。26体の木偶は、明治から昭和期に作られた秀作で、人形富(1体)・天狗久(6体)・面光(1体)と冨士枝林之丞が制作した物です。
 所有者のご厚意で、箱廻しを調査研究している芝原生活文化研究所・資料室が、一括購入しました。現在、木偶や衣裳、小道具類のリストを制作しています。
 なにはともあれ、一座の道具が散逸することなく遺せたのが意義深いと思っています。徳島県西部の人形文化をあらためて評価すべく、箱廻しの伝承に力を傾注したいと思います。
       焼けた南大門とパンソリと
 地元での取り組みや、講演の合間を縫ってソウルを訪ねました。第一の目的は、韓国の大道で培われた語り物芸パンソリを鑑賞することでした。久々のソウルは、十数年前とはずいぶん変わっていましたが、南・東大門市場の雰囲気は昔のままでした。しかし、明洞の繁華街は歌舞伎町と道玄坂をミックスした感じで、おじさんやおばさんが歩くには少し抵抗がありましたが、土産物を買うときにはきっちりと値切りました。露天でペットの服を売っていたオモニの雰囲気が、辻本の亡き母に似ていて、衝動買いしてしまいました。亡き母も、露天で玩具を売って私たちを育ててくれましたから値切りませんでしたが、オモニが一枚余分に持たせてくれました。(カムサ ハムニダ)
 今年は、7月下旬に江漢(カンヌン)市の郊外にある人形の家で、箱廻しを実演します。西畑人形(香川)・八王子車人形(東京)等との競演予定です。6月の上旬には、同市で行われる端午の節句祭(韓国の大道芸が集まる祭)にも行く予定です。また、報告します。
 消失した南大門も見学しました。修復工事中の現場には、祭壇が設けられていました。工事防護壁には、メッセージを書き込める壁紙が貼られており、世界各地からのメッセージが手書きされていました。日本の金閣寺が消失した時にはどうだったんだろうかと、考えさせられました。
2008年2月
    子どもと高齢者に福を運びました
 旧正月を終えて、美馬市の保育所と阿波市の老健施設で、三番叟まわしを実演しました。
 江原南幼稚園の園児は、初めて見る三番叟に興味を持ってくれました。一人ひとりに福分けしたら、大喜びでした。祝福される喜びを、すでに5才6才の園児は分かっている事に驚きました。
 同日、阿波市の老健施設で旧正月を祝いました。私たちは、この施設を毎年訪ねているので、おじいちゃんやおばあちゃんは楽しみにしてくれています。福分けを受ける姿は、半世紀前にかえっています。三番叟が舞うときには手を合わせて祈っています。この方たちこそ、三番叟を迎える文化を伝承してきたのです。私たちも、力が入ります。来春もお訪ねします。お元気で。
 日教組(人権教育)・広島の人権NPOなどで講演
 同和・人権教育に取り組む教職員や人権NPO法人の方々との出会いを楽しめた2月でした。日教組人権教育実践交流会での記念講演は、限られた時間で十分に話しきれませんでしたが、辻本の話や箱廻しに興味を持っていただきました。夜の交流会では、全国各地から集った教職員と交流できました。島根のOさんとも再会できました。箱廻しは、全国津々浦々を回って稼ぎました。各地からの情報(でこまわし)を寄せていただけるよう、お願いしました。
 広島の人権NPO法人や、集会所で講演する機会を得ましたが、一生懸命取り組む方々から学ぶことが多いです。人権の町づくりに、部落差別の撤廃をどういう形で再構築するかが問われている今日、各地での様々な取り組みに
深く学んでいきたいものです。
        大分市で木偶まわし
 全国各地で講演してきましたが、大分市での講演会は初めてでした。大分県内では何度か三番叟まわしを実演しましたが…。講演会は、一度限りの出会いと心得て市民と向き合わねばなりません。もう一度仕切り直しは許されません。「こんな講演会に二度と来るもんか」と思われては取り返しがつきません。全力投球で臨みます。しかし、数多い講演会の中には、反省しきりのものもあります。研鑽の日々が続いています。
 大分市内の被差別部落で、立派な(歴史のある)宿神を取材できました。西日本各地で、木偶がご神体として祀られています。中には、三番叟とおぼしき物も見られます.

  2008年2月  
 2月7日に旧正月を迎えます
 
2008年の元旦午前0時、除夜の鐘が鳴り終わると同時に三番叟廻しの門付けを始めました。毎年決まった時間に訪ねるので、家人も寝ずに迎えてくれます。JR阿波池田駅の周辺から門付けしました。2月3日の時点では、571軒に福を届けました。毎年、迎えてくださる家人の笑顔が、疲れた体を癒やしてくてれます。新しい命が誕生した家、病気が回復した人など目出度い話題が尽きません。人の幸せが、経済に支配されていない豊かさと出会っています。
 2月7日には、旧正月を迎えます。民泊しながら、中山間地の山道を歩きます。雪景色が、私たちを迎えてくれます。門付けのエピソードを次には紹介出来ると思います。

   「鍬初め(くわぞめ)」を取材記録
 
1月2日、三好市の民家で行われた鍬初めの記録を行いました。鍬初めとは、古くから農家が正月に行った農業神事で、三番叟も五穀豊穣を祈りました。恵方に向けて、山海と野の幸と新しい鍬と鎌を祭り、神事が始まります。一年間の豊作を願う家人が祈り、三番叟が田の四隅を踏み舞います。籾蒔き、稲の育苗、田植え、稲刈りと続く農作業の初鍬を家人が入れて終わります。現在、この農業神事を行う家はほとんど見られなくなりました。育苗を各家庭で行わなくなってから激減したそうです。30年前までは、相当数の農家が鍬初め神事を行っていたと言います。三番叟まわしの多くが、姿を消した時代と重なります。詳細の紹介は、別の機会に譲りますが、記録した写真を一部紹介します。
      藍の寝床で三番叟

 3日には、田中家住宅(藍屋敷)、新居さん(藍師)、人形恒さん(現代の名工)、万福寺(たぬき和尚)、お鯉さん(阿波よしこの名手)、その他の方々に福を届けました。例年3日は、日頃からお世話になっている文化人を訪ねています。私たちが三番叟まわしを復活した頃からお世話になった方々です。
 今年は、藍の蒅(すくも・染料)をつくっている新居さん宅の寝床で、三番叟を舞わしました。藍染さんを祀った蒅作りの寝床を、三番叟が踏み舞い、品質の良い蒅生産を祈りました。本会では、藍の寝床を三番叟が拝み舞う事例を、旧来の聞き取っていましたが、今年初めての再現でした。鼻を刺すきつい臭気は、掛けられた筵を貫いてきます。息を深く吸い込むと思わず咳き込んでしまいます。中内は、無事に寝床の四隅を踏むことが出来ました。新居さんありがとうございました。
 全国に阿波踊りを紹介することに貢献した、阿波よしこのの名手お鯉さんは、徳島市の名誉市民です。今年の4月には101歳を迎えられますが、現在でも喉と三味線は一級品です。昨年、100歳を記念して行われたコンサートは、超満席でした。阿波踊りでも、紺屋町演舞場で「よしこの」を披露するなど現役です。毎年、私たちにお茶を振る舞ってくださいます。その時には、思いがけない話を聞けて至福の時間になります。末永くよしこのを聞かせてもらいたいと願っています。私たちが尊敬する徳島県の女性は、中林ナカさんとお鯉さんと瀬戸内寂聴さんです。
西宮神社の百太夫祭と淡路の事代主神社で
 5日には、百太夫祭(傀儡師の始祖)で、えびす舞や箱廻しを奉納しました。今年は、例年より多くの方が参加されていました。その場では、全国から人形研究者や民俗文化研究者と出会えます。私たちの調査研究に、かけがえのない場ともなっています。
 また、10日には淡路市仮屋の事代主神社で、活きた大鯛を釣り上げるえびす舞を奉納しました。昔ながらの行事を、永く定着継承することに貢献できればこのうえない喜びです。漁業の町ならではの活きの良いえびす祭を、大切にしたいと思います。
          ミニ情報
門付け速報は、随時行います。お楽しみに!
企画中の冊子の原稿ができました。
解放出版から三月に出る予定です。

 2月の箱廻し公演・講演主な予定
 2日11時~ 「もちつきまつり」吉野川市
17日13時~ 「ふれあいのつどい」四国中央市
14日10時~ 「江原南幼稚園」美馬市
   13時~ 「リブインクローバー」阿波市
21日13時~ 「白寿園デイサービス」徳島市 
23日15時~ 「日教組人権教育実践交流集会」
                        丸亀市
24日13時~ 「人権講演会」三原市・広島
25日13時~ 「淡路市FW」
27日11時~ 「香南市FW」
29日13時~ 「人権講演会」大分市
2008年1月1日

 あけまして おめでとう ございます
 ホームページをご覧いただいている皆様のご健勝をお祈りいたします。本年も、温かく見まもっていただき、倍旧のご支援をいただけますよう、よろしくお願い申しあげます。
 12月31日午後7時過ぎに、中内・南・酒井の3名が国府町を出発しました。元旦午前0時、除夜の鐘が鳴り終わると同時に三番叟廻しの門付けの始まりです。毎年決まった時間に訪ねるので、家人も寝ずに迎えてくれます。JR阿波池田駅の周辺から門付けします。深夜の池田は、吐く息がすぐに凍ってしまいそうな寒さです。気合いを入れて、家々に福を届けます。今年も、約800軒を訪ねて歩きますが、すてきな出合いと、喜んでいただける笑顔に励まされます。
 2日には、池田の民家で行う正月の農業神事「鍬初め」を家人と三番叟が行います。辻本も取材して記録する予定です。
大阪・福岡・鹿児島・宮崎・広島と人権の絆
 12月上旬、大阪から九州、そして広島と走り抜きました。そこで出会った方々との出合いから生まれる絆は、かけがえのない財産になり、解放運動への新たなエネルギーとなりました。その責任の重さを自分に突きつけながら語りたい伝えたいと思います。2008年、今だからこそ部落差別を真ん中に据えて、共感できる講演内容を組み立てなければと思い講演していきます。応援してください。
*岸和田の会長さん、あいさつが素敵でした。
*筑後市のスタッフのみなさんに感謝。
*さつま町のおばちゃんと、焼酎「力三」最高。
問合先 堀之内酒店 0996-53-0206
*日向市の担当者の心意気に心酔。
*交流は、福山式を見習います。
          ミニ情報
門付け速報は、随時行います。お楽しみに!
企画中の冊子の原稿ができました。
解放出版から三月に出る予定です。

日本経済新聞(1月3日版)に、箱廻しの記事が掲載されます。お見逃しなく。
 1月の箱廻し公演・講演予定
5日11時~12時百太夫祭  西宮神社・兵庫
   15時~ 神戸大丸百貨店 2回公演
10日十日戎仮屋事代主神社 東浦町・淡路島         午前11時・午後2時の2回公演 
26日 さぬき市
30日 京都・綾部 FW
31日 奈良・かしはら FW

2007年12月
国民文化祭・徳島2007に出演

 10月27日から11月4日の間、第22回国民文化祭が徳島県で開催されました。
オープニングフェスティバル(会場・アスティとくしま)は、本会の「三番叟まわし」で幕開けしました。大勢のエキストラ(ムラの子どもたちと、相生小学校、助任小学校の児童や保護者)との共演でした。控室では、にわかに伝承教室を開きました。小さな子どもたちは、箱におさまったエビスや仕掛け木偶のお絵かきです。その絵は生き生きとして大人を引きつけます。むつみ祭で展示しましたが、大好評でした。描かれたエビスさんの表情は、内面の精神性まで描かれていて、福神のありがたさがよくにじみでていました。
 オープニング以外での出演は美波町での「キラリ輝く大道芸(27日)」・松茂町では「まつしげ人形劇フェスティバル(28日)」・徳島市のホテル東急インで開催された「連句の会」(11月3日)と、大忙しでした。
阿波人形浄瑠璃~興行のにぎわい~開催中
 県立文書館が開催する特別企画展に、私たちが収集した箱廻し道具と、中内たちの師匠が門付けで使用した三番叟まわしの道具、エビスまわしの木偶や神札等を展示しています。
お見逃しなく!
開催期間 2007/10/23~2008/1/20
  9:30~17:00(月曜・第3木曜・年末年始休館)
場所 文書館2階展示室(入場無料)
(福を運んだ木偶たち~阿波木偶「三番叟まわし」「えびすまわし」~)に多くの方が見に来られました。
 芝原生活文化研究所、阿波木偶箱廻しを復活する会と県立文書館が共催し、文書館2階講座室で、私たちの木偶や周辺の諸道具を展示しました。連日多くのギャラリーが詰めかけて、関心の高さが伺えました。門付けで使用された木偶たちの多くが、散逸しています。衣裳等が付け替えられたりして、原型をとどめる木偶は数少なくなりました。残念なことです。私たちは、師匠が現役時事に使用した木偶や周辺用具を中心に、門付け用の木偶や道具を収集してきました。かけがえのない史料として、大切にしていきたいと思っています。今後も、史料の収集に力を入れていきたいと考えています。
「門付け芸の世界とじんけん」で感激
 NPO法人ヒューマンネットとくしま(代表辻本)
が、「門付け芸の世界とじんけん」と題して人権啓発イベントを企画しました。無形民俗文化財の祝福芸や大道芸に焦点を当てて、人権を考えようとする取り組みです。
 出演は「伊勢萬歳」の村田社中と尾道春駒保存会、「韓国パンソリ」の安聖民さんと本会の箱廻しでした。川元祥一(作家・ルポライター)さんには、春駒を中心に据えた解説をお願いしました。
 ギャラリーを前に、辻本の進行で幕開けしました。先ずは、等身大の門付け芸の素晴らしさを実感していただこうと、多様な被差別民のアイデンティティをたっぷりと盛り込みました。社会的に賤視され、軽んじられた芸能を再評価することは、差別観念を払拭していくための道標となります。
 この人権啓発イベントは、今まで同和教育や人権啓発行事に参加しなかった市民にも、参加しやすいように窓口を大きく広げました。予想通り、参加者250人の内、半数近くが初参加でした。(直接聞き取り)
 アンケートでは、出演者の演技力を讃える意見の他、「新鮮な企画で、もっと大きな会場で多くの県民に参加してもらいたい」「見ごたえのある内容だった。有料でも良いので、また開催してほしい」
「このような取り組みを継続してほしい」など、前向きな意見が多く寄せられました。
第19回むつみ祭を賑やかに開催しました
 毎年多彩な催しと、ゲストを迎えてる「むつみ祭」が、11月11日(日)~16日の間開催しました。
11日の屋外イベントでは、恒例の「ひっかり雑炊」や在県の外国人が食文化をふるまってくれました。韓国の「チヂミ」と中国の「水餃子」「肉まん」は、ネタを追加しても間に合わないほどの人気でした。フィリピンの「ピザ」と「ビーコ」も昨年よりおいしくて、列ができていました。眉山園の「手作り菓子パン」も好評でした。今年は、地元のエコファーマーが、無農薬野菜も販売してくれました。点訳サークル「コスモス」は、本拠地鳴門の金時いもの販売と、点訳体験を開いてくれました。青年海外協力隊の若者たちは、モルジブの「スイカジュース」とモロッコの「ミントティー」をふるまってくれました。
 表現の部では、地元の神楽太鼓・箱廻しや三番叟まわしの他、「春駒」や「万歳」などの門付け芸を、楽しんでもらいました。
 今回は、実質20年目という節目のむつみ祭でした。お運びいただいた皆様に、厚くお礼申しあげます。多謝!!!
信州中野市で講演
 蜜入り林檎が美味しい北信での講演は初めてでした。諏訪湖から東の地での福神は、エビスさんより大黒さんが身近なようです。東京でもそうでした。関西では、エビスさんが福神の代表格なのですが…。しかし、えびす舞で林檎を釣り上げたら大歓声でした。(大黒さんのような)大きなお腹をした市長さんも、最後まで講演に参加していただきました。いつものように時間が足りずに、後半は走る走るになりましたが、会場出口でエビスさんからの「福分け」を受ける参加者は、これ以上ないような「エビス顔」でした。
 閉会後、長野の運動仲間が企画してくださり、こころ温まる交流会が持てました。至福の時です。各地の仲間とは初対面であっても、心の窓口が緩むものですね。降雪前の冷え込みの中、とても心温まりました!
年末までの講演予定
11月23日  宝塚市(兵庫)
   26日  美波町(徳島)
   27日  FW・滋賀県の方
   30日  FW・奈良県の方
12月 1日  徳島市
    2日  岸和田市(大阪)
    4日  筑後市(福岡)
    5日  さつま町(鹿児島)
    7日  日向市(宮崎)
   10日  福山市(広島)
   20日  FW・県内の方 

2007年10月

(徳島県公式訪問団の一員でドイツに!)
 徳島県が、ドイツのニーダーザクセン州との友好都市提携の共同宣言を、ハノーバー市の州政府迎賓館で9月13日に調印しました。この宣言は、「徳島県けとニーダーザクセン州は交流が末永く続くことを期待し、両県州民がより密接な関係となることを目的として以下の事項を宣言する」とし、教育・経済・スポーツなどさまざまな面で友好の輪を深めることや、地域環境問題と少子高齢化問題についての情報交換や協力など6項目が盛り込まれています。
 飯泉徳島県知事が団長となり訪独しました。文化理解を深める為に、阿波人形浄瑠璃選抜チームと箱廻しを復活する会が参加しました。
 13日の共同宣言調印式の後、「三番叟まわし」を披露し、ブルフ首相と飯泉知事に福分けをしました。「ビッテシェーン(どうぞ)」と御幣をブルフ首相に手渡すと、「ダンテシェーン(ありがとう)」と答えてくれました。福分けの時「ハピネスフォーユー」と、えびす木偶が両手と頭をなでると大変喜んでくれました。
 14日はハノーバー市の旧庁舎で上演。
 15日は復活する会が、同市内の野外広場で演じました。「グーテンダーク(こんにちわ)」と行きかう人たちに声をかけると、「こんにちわ」と声を返してくれました。三番叟まわしと箱廻し上演の後、梨割り木偶の体験や福分け、阿波踊りも一緒に踊って楽しい時間となりました。みなさんが福分けをとても喜んでくれて、国は違っても幸せを望む気持ちは同じだなあと思いました。通訳のマリオさんを通じてたくさんの人と交流することができました。私たちらしく交流し、幸せを共有することができました。
 16日は、リュウネブルグ市のヘルダー高校で、地元の合唱団とともに合同公演を行いました。毎日がとても充実したドイツ公演でした。
(国民文化祭・徳島2007)
 10月27日から11月4日の間、第22回国民文化祭が徳島県で開催されます。本会の箱廻しの出演は、
*オープニングフェスティバル(27日15:00~)
        会場は、「アスティとくしま」です。
*キラリ輝く大道芸(27日 19:00~)
   会場は、「美波町コミュニティホール」です。
*まつしげ人形劇フェスティバル(28日)
   会場は、松茂町歴史民俗資料館他です。
*連句の会(11月3日)
          会場は、徳島東急インです。
オープニングフェスティバルは、入場整理券が必要ですが、その他は自由参加ですので皆さんもご参加ください。
(阿波人形浄瑠璃~興行のにぎわい~)
 県立文書館が開催する特別企画展に、私たちの箱廻しと三番叟まわしの道具を展示します。
開催期間 2007/10/23~2008/1/20
  9:30~17:00(月曜・第3木曜・年末年始休館)
場所 文書館2階展示室(入場無料)
(福を運んだ木偶たち~阿波木偶「三番叟まわし」「えびすまわし」~)
 県立文書館と芝原生活文化研究所、阿波木偶箱廻しを復活する会が共催し、文書館2階講座室に私たちの木偶や周辺の諸道具を展示します。お見逃しなく。
開催期間 2007/10/30~11./11
場所  文書館2階研修室(企画展隣)
(「門付け芸の世界とじんけん」)
 NPO法人ヒューマンネットとくしま(代表辻本)
が、「門付け芸の世界とじんけん」と題して人権啓発イベントを企画しました。無形民俗文化財の祝福芸や大道芸に焦点を当てて、人権を考えようとする取り組みです。
これは、平成19年度徳島県「みんなが主役の人権啓発推進事業」委託事業です。
日時 2007/11/10(土) 13:00-16:00
場所 徳島県立文化の森 二十一世紀館
     イベントホール(徳島市八万町向寺山)
定員300人(先着順
  開場は12時30分。お早めにお越しください。
入場無料
出演…「伊勢萬歳」「尾道春駒」「韓国パンソリ」
     「箱廻し」 の皆さん。
解説…川元祥一(作家・ルポライター)
コーディネータ…辻本一英

(第19回むつみ祭のご案内)
 毎年多彩な催しと、ゲストを迎えての解放文化祭「むつみ祭」が、11月11日(日)~16日と決定しました。(11日~16日午前まで展示)
11日の屋外イベントは10時20分~14時30分
で、恒例の「ひっかり雑炊」や外国人の食文化を
楽しみながら、人権交流を満喫してください。
 箱廻しや三番叟まわしなどの他、「春駒」や「万歳」などの門付け芸を、身近で見て楽しんでください。
場所…徳島市国府町芝原 芝原公園
日程 11月11日

 10:20…開会
 11:00…模擬店(食文化を楽しもう)
       品切れまでです。お早めに!
 11:40…伝統芸能(神楽太鼓・箱廻し・
              春駒・万歳など) 
 14:30…閉会

2007年8月

(教職員人権・同和問題研修へ)
 夏休みになると、教職員研修に招かれます。今年は、城北高校・上板町・阿波市・東かがわ市などの研修を引き受けました。辻本は、学校現場で働いた経験があり、教職員に伝えたいことが山ほどあるみたいでした。同和教育離れの空気が学校内外に漂う今日、辻本の話は貴重だと思いました。同和教育の成果を矮小化せず、評価したいものです。阿波市では、3回に分けて全教職員が研修を受けましたが、辻本はほとんど内容を変えて話していました。1回目に受講された先生が、2回目3回目にも聴講されていたのが印象的でした。「三番叟まわし」を実演する私たちも、力が入りました。
(「笑うエビス~福神の図像学~」始まる)
 武蔵野美術大学美術資料図書館にて、企画展「笑うエビス」が開かれています。期日は、8月4日から9月22日までです。
 芝原生活文化研究所のエビス木偶、三番叟まわしの道具類やパネルが展示されています。
 9月6日(木)pm4:30~6:30には、辻本が「福を運んだエビスさん~傀儡師と多様な被差別民~」と題して講演します。阿波木偶箱廻しを復活する会が、箱廻しや三番叟まわしなどを実演します。お近くの方は、ご参加ください。
お問い合わせは、武蔵野美術大学民俗資料室042-342-6006です。
(ドイツに門付け?)
 徳島県が、ドイツのニーダーザクセン州との交流に関する共同宣言を、9月13日に調印します。この宣言は、教育・経済・スポーツなどさまざまな面で友好の輪を深めること目的としています。
 9月12日から18日までの間、飯泉徳島県知事が団長となり訪独します。双方の文化理解を深める為に、徳島県からは人形浄瑠璃芝居と、箱廻しが参加することになり、阿波木偶箱廻しを復活する会の中内と南が同行します。ドイツでは、三番叟まわしと箱廻しを披露します。次回の本ページ更新時には、具体的なことを報告できると思います。

2007年7月
(芝原生活文化学級・芝原自主夜間学校開講式)

 6月3日にむつみ会館分館で開講式を行ないました。55人の参加がありました。多くの参加ありがとうございます。識字生は支援をしてくださるみなさんから温かい挨拶をもらい、桂七福さんの落語を楽しみました。今年一年も楽しく学べる識字学級にしていきたいものです。
(NPO法人阿波の門付け芸保存会とNPO法人ヒューマンネットとくしまの総会開催

 まず、NPO法人設立の経過と報告を行いました。委任状をいただいた会員からは、NPO設立と総会開催を共に喜び祝う手紙が添えられていました。みなさんに支えられている事を本当に感じます。そして、2006年度の事業報告と収支決算報告及び監査があり出席者全員で承認されました。最後に、2007年度事業計画と予算が話し合われて承認されました。
 やっと設立までこぎつけられてホッとしています。申請書を提出するまでには、たくさんのみなさんにアドバイスを頂きました。本当にありがとうございます。まだまだ出発し始めたばかりのNPOです。これからも温かく見守ってやってくださいね。一緒に作っていきたいと思いますので、これからもよろしくお願い致します。
(今年も「あじさい祭」に参加)
 6月17日につるぎ町(旧・一宇村)で開催された「あじさい祭」に参加し多くのみなさんに福を届けてきました。例年、みなさんが笑顔で迎えてくださいます。手作りのお祭りの温かさと人情を感じる1日でした。
 一週間後の6月24日には、旧・一宇村と東祖谷山村の境にある小島峠で行われた、薬師如来さんの護摩法要に参加しました。三番叟まわしをなつかしむみなさんも多く楽しんでいただきました。
(「歴史を拓くはじめの家25周年」参加と「箱廻し足跡調査」)
 7月7日に長野県佐久市で行われた会に参加し、辻本が語り・南と中内が木偶の実演を行いました。もろさわようこさんと高知の竹村美也子さんからの講演依頼に感謝して参加させてもらいました。
 辻本のユーモアのある語りに終始会場は笑いの渦に巻き込まれていました。部落差別を熱く語る辻本に、ほろり涙し共に憤る人の姿もみられました。笑いの中にジンとくる話に時間を忘れたひとときとなりました。
 「歴史を拓くはじめの家」は、1982年に女性史研究家のもろさわようこさんが、「愛にみちて歴史を拓き、心華やぐ自立を生きる」をテーマに、「自然と出会い、歴史と出会い、自分自身と出会い、そして人びととの出会う場」として設立されています。また、1994年には沖縄に、「歴史を拓くはじめの家うちなぁ」が、平和と沖縄の生活文化を学ぶ場として建設され、1998年には高知に、「歴史を拓くよみがえりの家」が、さまざまな差別をうなづかず、人権の輝きを求め、人間であることをお互いに喜び合う場として建設され活動されています。
 「もろさわようこ」さんに賛同しつながる、およそ100人の人たちが全国から集まっていました。全国から集いともにつくる取り組みは、とてもすばらしいと思いました。翌日も各地の取り組みが報告されました。地元会員のみなさんの手作りの昼食は本当においしかったです。「菜めし」の味は最高でした。たくさんのおいしい料理。心のこもった食事にもてなしの心を学びました。
 今回長野県を訪れる事になり、前日から「箱廻しの足跡調査」を行いました。6日には飯田市美術博物館を訪ねました。以前お世話になった学芸員さんとの再会はとてもうれしかったです。貴重な本までいただき恐縮です。次に、長野県上伊那郡中川村にある中川村歴史民俗資料館を訪ねました。資料館の閉館でしたが、教育委員会さんのご厚意で資料館を見学されてもらいました。こちらの「片桐人形」(横前人形)は、阿波の人形遣いが訪れて残した人形から出発といわれています。木偶と資料を実際に見ることができとても良かったです。
 次に上伊那郡宮田村の宮田村教育委員会の資料館に大田切人形を訪ねました。以前、資料館を見学した際、大阪の人形遣い吉田金吾の箱があることを知りました。担当者不在で詳細を聞けず再度お訪ねをしました。今回は教育委員会さんの厚意で収蔵庫を拝見し箱二組を見せてもらえました。箱は吉田金吾に教えてもらった弟子の箱であることがわかりました。
 7日午前中には、佐久市五郎兵衛記念館(信州農村開発史研究所)の斎藤洋一さんをお訪ねしました。突然の訪問にもかかわらず、再会をとても喜んでくれました。斎藤さんは毎年学生さんの講義で、南たちの門付けをビデオで紹介してくれているようです。現代の子どもたちに門付けはとても新鮮にうつるようでレポートの感想が多く寄せられるそうです。斎藤さんから展示物について丁寧な説明をいただき感激しました。貴重な本までいただき嬉しかったです。
 8日の帰りには、上伊那郡箕輪町の箕輪町郷土博物館に古田人形を訪ねました。淡路の人形遣いが来たともいわれている人形座です。事前連絡をしておらず座員さんには会えませんでしたが、昔の古田人形の木偶を撮影したり、小冊子購入と町村史を確認することができました。
情報コーナー
 7月28日(土)…「子ども伝承教室」開催
 小松島市人権推進課が開催する「ひまわり子ども会一泊研修」で、辻本による人権の話と伝承教室を行います。NPO法人阿波の門付け芸保存会が世話人となり、阿波木偶箱廻しを復活する会と岡花座に木偶の指導を依頼しました。   
 会場は勝浦郡勝浦町坂本の「ふれあいの里さかもと」で、時間は後6時30分から8時までです。

2007年6月おいしい「でこまわし」をいただきました)
 5月4日に開催された「ふれ愛山里祭りin一宇」で箱廻しをご覧頂きました。会場の河内地区は、中内正子の父親のふるさとです。剣山に通じる国道沿いの小さなお堂でのふれあい祭りでした。NPO法人ベストサポートこころのメンバーが、「八面(やつら)ふき」を特産品にしようと取り組んでいます。山間地の人々の暮らしや福祉の課題を取り組み、若者の定着をも視野に入れて頑張っています。この祭りに参加した高齢者は、ざるをまわして御祝儀を集めてくれました。門付け・大道芸人を意識させてくれます。
 それにしても、この日は晴天のゴールデンウイーク。普段は地元の車だけですが、国道(とても狭い道です)が渋滞します。剣山へ向かうハイカー達の県外ナンバーばかりでした。渋滞中に、美味しいじゃがいもの田楽(県西部では、でこまわしと呼んでいます)を無料で接待してもらった県外客は大喜びでした。私たちも、出番を終えた後、香ばしい「でこまわし」をいただきました。
(県内で、三番叟まわしと「鍬初め」の取材)
 5月6日に、県西部で聞き取りしました。今回は、門付けの足跡と、「鍬初め(くわぞめ)」の調査です。私たちの師匠を門付け先まで車で送り迎えをしておられたAさん(東みよし町)を訪ねて、正月の門付け先で不明であった所を中心に聞きとりしました。何時にどこ迄送り、いつどこで迎えたかを丁寧に聞かせて頂きました。また、鍬初めの農業神事を現在もつづけておられるBさんを訪ねて、祀り方や所作の詳細を教えていただきました。鍬初めを行っている家はほとんど無いそうです。三好市の門付け先であるBさん宅と同市のCさん宅以外では確認出来ませんでした。Bさんの話によると、葉煙草の生産農家が激減して以来、鍬初めは姿を消したそうです。三番叟まわしの芸人が減少してきた時代です。聞き取りの一部は、『しこく部落史』で一部紹介する予定です。
 (伊予の「麦熟らし」を楽しむ)
 東温市の郷を「もち麦」が紫色に染めます。この地の麦秋は、富良野のラベンダー畑のように色づきます。ジェイウイングファーム代表の牧さんが、毎年招待してくれます。私たちも、年中行事として参加したいと願っています。何よりもすばらしいのは、麦畑に囲まれてふれあえる事です。また、バーベキューや手作りの料理でもてなしてくれます。カントリーウェスタン風にいただく料理は男料理でダイナミックです。一方、当ファームで生産するもち麦を使ったお菓子や、古代米で握ったおむすびは絶品でした。
 昔は、麦の収穫前のひとときを、近所の方々が集い収穫出来る喜びを共有したと聞きます。牧さんは、コミュニティの変質で消えてしまった慣習や文化の再評価も考えています。安倍総理、こんな所に「美しい国、日本」がありますよと伝えたいです。
 ちなみに、この地にも三番叟まわしが来ていたと聞き、細やかに聞きとり出来ました。牧さんも覚えていました。
(革の畳と牛毛の毛布にびっくり)
 5月13日には、大阪の泉大津市で開催された「浜街道まつり」で、三番叟や箱廻しを実演。リバティーの太田さんの紹介です。大道芸人は、舞台の上ばかりじゃなく、大道で腕を磨けと言われたような気がします。本部前の古い商家(毛布の製造販売業)に案内されて、畳の縁が牛革で仕立てているのにびっくり。奥の間には、一枚百万円の毛布と一緒に置かれていたのが、牛の毛で編んだ毛布。明治期に、先々代が輸入品の赤ゲットを模して製造したものだそうです。羊が飼育されていなかった時代に、牛の毛を利用したそうです。赤く染めていました。畳も、商取引する場所では、商品を移動するたびに畳や絹で織られた縁はすぐに傷んだそうで、琉球畳で縁は牛革に漆を塗った物を誂えたそうです。ちなみに、先日迄使っていた畳の縁は80年以上も前の革だそうです。
 大勢の参加者に、珍しい大道芸を披露できました。関係者のみなさまお世話になりました。
情報コーナー

  6月3日…芝原生活文化学級の開講式
     午後1時30分開会です。
    会場は、むつみ会館分館です。
   恒例の桂七福さんの落語を楽しみましょう。
6月3日…NPO法人阿波の門付け芸保存会
       NPO法人ヒューマンネットとくしま 

      の総会を開きます。午後3時~
      会場は、むつみ会館分館です。

2007年5月
(第11回伝統人形芝居に出演)
 3月10日11日(八王子市)において開催された「2007受け継がれていく 伝統人形芝居」に出演しました。八王子車人形西川古柳座他が主催で、車人形の他、西畑人形芝居・佐渡文弥人形他と共演させて頂きました。一日目は、古流座で箱廻し・三番叟まわしをご覧頂きました。古柳座五代目家元のはからいで、多くの研究者や人形芝居関係者に紹介頂きました。とりわけ、稽古場裏の庭で催されたパーティーでは、充実した交流がもてました。人との出会いは、かけがえのないものです。また、徳島県穴吹町出身のOさんご夫妻も神奈川から駆けつけてくれました。ありがとうございました。二日目の八王子いちょうホールでも、舞台出演の後、ロビーでゑべっさんで「福分け」しました。喜んで頂けました。スタッフのみなさんお世話になりました。
(箱廻しの足跡調査…「足柄座」)
 3月9日に、神奈川県の酒匂川沿いにある「足柄座」を訪ねました。以前資料提供して頂いた玉野さんと現座長さんが、南足柄資料館で迎えてくれました。館収蔵庫の古い木偶や資料を拝見しました。足柄座前身のひとつである斑目(まだらめ)人形芝居には、阿波の箱廻し芸人夫婦が残した木偶で人形芝居を始めたという口伝が記録されています。地元の民俗学研究者の市川翁にもお目にかかり、翁自身が幕末生まれの高齢者から聞かされていた話をうかがいました。夕刻、八王子に向かって斑目を後にしました。
 (足跡調査…「追分(おいわけ)人形」)
 3月11日夕刻、八王子いちょうホールを後にして、中央高速道で山梨県大月市に向かいました
。甲府市の手前に追分け峠があります。その地に「追分人形」があります。先の座長である天野さんを訪ねました。現在闘病中で、お目にかかれませんでしたが、息子さんがリーダーとなって練習に励んでいました。練習場の裏にある天野さん宅で、手打ちのお蕎麦と赤飯をご馳走になり、古い写真を拝見することが出来ました。4月の上演に向けて、練習も追い込みでしたが、快く交流して頂けました。数体の木偶も拝見しました。時間の都合で、走る走るの取材になりましたが、もう一度ゆっくり訪ねてみたいです。天野さんのお母さんが、帰り際におむすびを用意してくれました。旧街道沿いの人情は生きていたんですね。コンビニのむすびと違って、腹持ちがいいんです。美味しかったです。ありがとうございました。
 木偶作家の石黒さん、お世話になりました。
(足跡調査…「右左口(うばぐち)人形」)
 追分人形の練習に参加されていた小林さんたちと出会いました。小林さんは、右左口人形を復活させようと、情熱をもって取り組んでおられます。箱廻し芸人が歩いた中山道沿いをチェックするには、興味深い人形座です。これからもおつき合い頂きながら、研究してみたいと思います。
(足跡調査…「住吉座」)
 4月5日、岡山県鏡野町にあった「住吉座」の川端さんを訪ねました。昨年12月に真庭市での講演会に駆けつけて頂き、「桜の時期に遊びにおいで」とお誘いを受け、厚かましくも訪問しました。鏡野町と倉吉を結ぶ峠は、「人形峠」と呼ばれています。そのいわれも興味深いのですが、この地は出雲街道沿いにあり、箱廻し芸人の稼ぎ場でした。当地では、箱廻し芸人を「一荷担ぎ」と呼んだそうです。明治期に、淡路の一荷担ぎ来村の事など、村史に残っていました。川端さんからの資料提供で、大きな糸口が見つかりました。町の資料館には、住吉座の木偶(大江順作など)が展示されていました。収蔵庫には、なんと箱廻し芸人が使ったと考えられる箱(木偶櫃)が残っており、詳細をチェックしたところ、一荷担ぎのために通す紐も孔も確認できました。大きな収穫です。資料館での調査のあと、津山市の城跡の桜を堪能させてもらい、おまけに、出雲街道の町並みもご案内頂きました。川端さんはじめ、資料館館長さん、ありがとうございました。
情報コーナー
特定非営利活動法人阿波の門付け芸保存会が、3月26日に設立しました。阿波木偶箱廻しを復活する会の中内正子が理事長を務めます。県内はもとより、全国各地から参加しています。詳報は、ホームページを立ち上げて報告予定です。当ホームページでも、取りあげたいと考えています。
(映画『あかね空』陽春ロードショーご案内)
 2007年春に、箱廻しを復活する会の中内代表が出演した『あかね空』が公開されます。
 山本一力さんの直木賞賞作品が映画かされました。出演:内野聖陽・中谷美紀・岩下志麻
中村梅雀・泉谷しげる・石橋蓮司ほか
   東京:新宿ガーデンシネマ
       恵比寿ガーデンシネマ
   大阪:梅田ガーデンシネマ
徳島:北島シネマサンシャイン
         (4/28~5/11)

2007年3月
(新春を迎え、三番叟まわし門付けへ)
 2007年1月1日午前0時から、三番叟まわしの門付けを行っています。今年も、阿波池田から始めて561軒のお家に福を届けました。2月18日には旧正月を迎えます。約200軒のお家に門付けします。山間部が中心で、門付け先に民泊して「家祓い」などの伝統的な神事を行います。
柳行李を背負って雪の坂道を歩きます。(今年は暖冬ですが…)
(新春の祝福芸・えびす舞と春駒に出演)
 1月20日リバティホール(大阪人権博物館)で三番叟まわしやえびす舞を披露しました。大阪豊中と八尾の春駒との共演でした。豊中の太鼓サークル「蛍」の若者や小中学生の熱演には、観客も満足したと思います。八尾の春駒のメンバーとは2度目の共演でしたが、おばちゃんたちのパワーが気持ちいいです。舞台用の化粧が進むにつれてヒートアップします。なにせ楽しい。
(大阪の地下街で啓発)
 1月23日には、ディアモール大阪(梅田地下)で、市民公開講座を行いました。(大阪同企連主催)道行く人を対象にしての講座で、企画した方も相当心配されていた様子。しかし、大道芸の箱廻しをなめてはいけません。私たちは、本来、大道を舞台とする芸人なのですから。(少し言い過ぎかな?)心配をよそに、多くのギャラリーが箱廻しを取り囲む盛況となりました。全5回の実演でしたが、友人を誘ってのリピーターや、1時間も実演を待ってくれたギャラリーもいました。配布した啓発チラシ2,000部も好評で、ゴミ箱をチェックした担当者が、一枚も捨てられなっかったと大喜びでした。さすが大阪人、ゑべっさんの写真が入ったチラシをゴミ箱には捨てません。
(国立劇場で三番叟まわしと箱廻しを実演)
 1月27・28日の二日間、国立劇場小劇場にて
「国立劇場40周年記念『阿波の芸能』」が行われました。阿波踊りや人形芝居の実演などが実演されました。箱廻しは、開演前にロビーで4回実演しました。中内が、ギャラリーの目の前で、箱廻しの木偶を持ち上げると「ウオー」という歓声があがりました。狭山から駆けつけてくれた、石川一雄・早智子ご夫妻も、私たちの芸が東京の方々に感動を与えているのを見て、大喜びしてくれました。
(おーいニッポンNHKBS2に出演)
 2月4日11時から18時にかけて、徳島県を紹介する番組が生放送され、箱廻しを復活する会は、東京のスタジオで出演し三番叟まわしを披露しました。早坂暁(脚本家)、板東英二(タレント)三好和義(写真家)、星野知子(俳優)がゲストで、国井アナ(プロジェクトX司会者)が進行役でした。通常10分少々かかる三番叟まわしを4分に短縮して実演しました。早坂さんは愛媛県出身で、三番叟まわしの後を歩いて付いていった思い出を喋ってくれました。国井アナもたいそう興味を示してくれていましたが、不思議な縁です。なぜなら、朝5時に出発する門付け芸人の中内は、眠気を覚まし頑張る気力を奮い立たせるため、車移動の折りには、中島みゆきのCDをかけます。プロジェクトXのテーマソングを聴きながら門付けに行くのです。
情報コーナー
*3月4日付けの讀賣新聞日曜版『夢塾』で、箱廻しが紹介されます。
*日本経済新聞でも、3月中に箱廻しが紹介される予定です
(啓発ビデオが完成)
 『えびす舞に思いをのせて~でこまわしを復活辻本一英』(『部落の心を伝えたい』ビデオシリーズ⑩)が完成しました。ぜひご視聴ください。
 辻本の講演の一部と、箱廻しの取り組みなどが紹介されています。 
 定価52,500円(税込)
申込先は、
  メディア総合研究所 
  兵庫県川西市萩原3-77
tel072-757-7746 fax072-757-8878
Email:media@sky.sannet.ne.jp
当ホームページからもご注文いただけます。
『でこまわし』購入窓口からお入りください。
なお、当ホームページや芝原生活文化研究所を通じて申し込み頂ければ、一割引となります。
(阿波十郎兵衛屋敷に、箱廻しを展示予定)
 徳島の観光スポット「阿波十郎兵衛屋敷」に、箱廻しや三番叟まわしの道具が展示される予定です。展示ブースの改修に伴う企画で、説明のビデオも11月25日に撮影されました。(中内たちの実演と、辻本の解説)一年中箱廻しの道具が展示されればと、期待しています。
(映画『あかね空』陽春ロードショーのご案内)
 2007年春に、箱廻しを復活する会の中内代表が出演した『あかね空』が公開されます。
 山本一力さんの直木賞賞作品が映画かされました。出演:内野聖陽・中谷美紀・岩下志麻
中村梅雀・泉谷しげる・石橋蓮司ほか
   東京:新宿ガーデンシネマ
       恵比寿ガーデンシネマ
   大阪:梅田ガーデンシネマ
(2007年3月の主な講演・公演予定)
* 2日 大和中学校(島根)
* 3日 都賀行公民館(島根)
* 4日 泉南市(大阪) 
* 6日 上板町(徳島)
*10~11日八王子(東京)
*18日 熊取町(大阪)
*21日 三野町(香川)
*22日 石井町(徳島)・多度津(香川)
*24日 海陽町(徳島)

2007年1月

あけましておめでとうございます
このホームページをご覧頂いている皆様の
商売繁昌・無病息災をお祈りいたします
本年も、私どものとり組みをご支援ください
(啓発ビデオが完成)
 『えびす舞に思いをのせて~でこまわしを復活辻本一英』(『部落の心を伝えたい』ビデオシリーズ⑩)が完成しました。ぜひご視聴ください。
 辻本の講演の一部と、箱廻しの取り組みなどが紹介されています。 
 定価52,500円(税込)
申込先は、
  メディア総合研究所 
  兵庫県川西市萩原3-77
tel072-757-7746 fax072-757-8878
Email:media@sky.sannet.ne.jp
当ホームページからもご注文いただけます。
『でこまわし』購入窓口からお入りください。
なお、当ホームページや芝原生活文化研究所を通じて申し込み頂ければ、一割引となります。
(阿波十郎兵衛屋敷に、箱廻しを展示予定)
 徳島の観光スポット「阿波十郎兵衛屋敷」に、箱廻しや三番叟まわしの道具が展示される予定です。展示ブースの改修に伴う企画で、説明のビデオも11月25日に撮影されました。(中内たちの実演と、辻本の解説)一年中箱廻しの道具が展示されればと、期待しています。
(映画『あかね空』陽春ロードショーのご案内)
 2007年春に、箱廻しを復活する会の中内代表が出演した『あかね空』が公開されます。
 山本一力さんの直木賞賞作品が映画かされました。出演:内野聖陽・中谷美紀・岩下志麻
中村梅雀・泉谷いげる・石橋蓮司ほか
   東京:新宿ガーデンシネマ
       恵比寿ガーデンシネマ
   大阪:梅田ガーデンシネマ
(新春を迎え、三番叟まわし門付けへ)
 2007年1月1日午前0時から、三番叟まわしの門付けを開始します。今年も、阿波池田から始めて7百数十軒に福を届けます。
(2007年1月の主な講演・公演予定)
*1月5日(金)午前11時~
  西宮神社(西宮市)百太夫祭で三番叟まわし を奉納します。参加費無料
*1月10日(水)午前午後2回えびす舞実演
  淡路・東浦町仮屋の事代主神社
*1月20日(土)午後2時~ 参加費1,000円
  リバティーサロン「新春の祝福芸ー
  えびす舞いと春駒」(リバティおおさか)
*1月21日(日)午前10時~
  土居小学校 体育館(愛媛・四国中央市)
*1月23日(火)午前11時~午後6時5回公演
  大阪同企連 市民公開講座
  阿波木偶箱廻し新春公演
 場所:ディーズスクエア(ディアモール大阪)
*1月24日(水)午後3時10分~
  小松島市人権教育・啓発推進者研修会
 場所:徳島・小松島市ミリカホール
*1月27・28日
  国立劇場40周年記念
  民俗芸能公演「阿波の芸能」
    場所:東京・千代田区
    入場料:3,600円
(人権のまちづくりを進める会発足)
 人権が大切にされるまちづくりの活動推進を目的として、賛同する個人で構成しました。先がけて、隣保館で高齢者を対象として、食事サービスを6月21日に行いました。会員は25名(8月現在)。若者が中心になっています。随時会員を募集しています。

2006年11月

(むつみ祭へのご参加、ご協力ありがとうございました)
 10月22日に開催した第18回むつみ祭は、大勢の参加を得て、楽しく人権文化の交流が持てました。これもひとえに、日頃ご支援いただいているみなさま方のご参加やご協力のおかげです。スタッフ一同感謝しています。
 地区内外の人々が、人権交流を目的に交流できる機会は、かけがえのないものとなっています。特に、多様な被差別民衆が担った大道芸や祝福芸を広く市民に体験していただく場として、意義深いと自負しています。加えて、外国人の文化にふれたり、自立をめざす障害者の皆さんとの交流は、むつみ祭のアイディンティとなって来ました。もっと時間に余裕があればという思いもあり、先々には、時間配分も改善したいと考えています。
 今年は、飴細工師 あめ屋義弘さん(名古屋)を迎えて、懐かしい文化にふれました。来年に、ぜひ迎えたいという芸人さんがあれば、ご推薦ください。
 来年の開催日程は未定です。7月には、おおよその予定がたちますので、このページでご確認ください。
(七福さんと共演)
 10月24日には、地元の北井上人推協主宰による、人権講演会で桂七福さんと共演。むつみ祭の開会から1週間を、北井上中学校区の人権週間に位置づけしています。今年は、七福とゑべっさんが福を届けますというタイトルで、講演しました。
(八尾市で講演)
 大阪における解放運動の今後をどう再構築していくかが問われている八尾市で、部落差別を軸足においた講演を行った。純粋に「にんげん解放」を願う人々と向き合えて、あらためて差別撤廃への気持ちを新たにできた。八尾市プリズムホールでの講演会では、西郡地区の春駒と共演した。来春1月20日に開催される「新春の祝福芸」(リバティホール)でも共演できたらいいなと思う。春駒保存会のおばちゃんたちは、あったかさと力強さを併せ持つ。新春の大阪を、阿波木偶三番叟まわしと一緒に熱くできたら…。
(啓発ビデオが完成間近)
 11月1日、大阪のスタジオで最終編集作業を行った。辻本の講演記録を中心にまとめられている。販売開始時には、当ホームページで宣伝予定。
(阿波十郎兵衛屋敷に、箱廻しを展示予定)
 徳島の観光スポット「阿波十郎兵衛屋敷」に、箱廻しや三番叟まわしの道具が展示される。展示ブースの改修に伴う企画で、説明のビデオも11月25日に撮影された。中内たちの実演と、辻本の解説。年中箱廻しの道具が展示される予定なので、期待している。
(新春をひかえて、門付けの準備)
 2007年1月1日午前0時から行う、三番叟まわしの門付けにむけ、道具類の準備を進めている。7百数十軒を、約1カ月かけて門付けする中内と南は、体調の管理がたいせつ。緊張の年の瀬を迎える。

2006年11月
(撮影が終わり、ビデオの編集へ)
 啓発ビデオ「部落の心を伝えたい」(メディア総合研究所・風楽創作事務所企画制作)第8巻の撮影が6月30日からはじまった。辻本一英が何を取り組み何を訴えたいのかを収録する。奈良県宇陀市の講演会・福岡県人権啓発情報センターでの箱廻し体験教室や講演会風景を収録。
 11月完成にむけて編集作業中です。
(熊本市から福山市へ)
 
9月5日に開催された熊本市人権啓発セミナーで講演。熊本市民に箱廻しをご覧頂くのは二度目でした。講演会には、狭山住民の会の仲間や、来民の同志が、駆けつけてくれました。来民の仲間とは、大阪全同教で出会い、フィールドワークでお世話になって以来のおつき合いです。ありがたいです。翌日は、広島県の福山市で講演。以前からおつき合いのあるスタッフのみなさんと交流しながらの講演会でした。翌朝には、尾道市でフィールドワーク。尾道春駒保存会を訪ね、復活にかかわる思いを聞かせてもらいました。三番叟まわしと春駒を実演して交流しました。広島県連の方々にもたいへんお世話になりました。尾道では、作田さんにも合うことができました。有意義な数時間を過ごす事ができました。お世話になりました。来年のむつみ祭に、春駒の仲間が参加してくれたらと願っています。夜には、福山市に帰って講演。若いスッタフの頑張りに応えようと、一生懸命に木偶を操りました。
(敬老の催しにボランティアとして三番叟)
 敬老の日前後は、各種催しにボランティアとして参加しました。鳴門市では、100歳の誕生をむかえられたおばあちゃんに、三番叟まわしを実演して、長寿を祝いました。どこに招かれても、「なつかしい」と喜んでくれます。この民俗文化が、いかに暮らしに根付いたものであったかがよく分かります。おばあちゃんたちとの出会いは、伝承活動の励みになります。
(高知の仲間と旧交を温める)
 9月23日には、高知県香南市で講演した。終了後に、高知の仲間と旧交を温めた。部落差別撤廃・人権確立への思いは全国共通。美味しいカツオのたたきをいただきながらの焼酎は、格別気持ちよく酔えますね。
(四国八十八カ所第四番札所大日寺で)
 10月7日には、札所大日寺で三番叟まわしと箱廻しを、お遍路さんに披露した。真鍋住職からの依頼でした。県外からのお遍路さんに喜んでもらえました。中には、昔家で迎えたという方もいました。
(第18回むつみ祭にご参加を)
 と き  10月22日(日)
    午前10時30分から午後2時30分
 ところ  芝原公園(むつみ会館南隣)
   楽しみポイント
 国際文化交流・神楽太鼓・三番叟まわし
箱廻し・あめ細工の実演販売(あめ屋義弘さん)
  *作品展示はむつみ会館です。27日12時までです。
 問合先 徳島市国府町芝原字神楽免
       むつみ会館 088-642-2155
た。
(11月の主な講演会)

11月3日…島根県横田中学校講演
   9日…豊中市講演
  10日…南淡路市(兵庫)講演
  17日…八尾市講演
  19日…松山市講演
  25日…阿波十郎兵衛人形浄瑠璃まつり出演

2006年8月(撮影はじまる)
 啓発ビデオ「部落の心を伝えたい」(メディア総合研究所・風楽創作事務所企画制作)第8巻の撮影が6月30日からはじまった。辻本一英が何を取り組み何を訴えたいのかを収録する。奈良県宇陀市の講演会・福岡県人権啓発情報センターでの箱廻し体験教室や講演会風景を収録。本年11月完成予定。
(箱廻し資料展示と体験教室)
 
福岡県人権啓発情報センター「アルカディア」で、芝原生活文化研究所の啓発パネルと三番叟まわしや箱廻し・えびすまわし等の資料を展示。他に「獅子舞」「春駒」「猿回し」の関連資料や道具が展示されている。お見逃しなく!
(展示期間7月2日~10月1日)
7月2日の初日には、箱廻し体験教室を開催。福岡県内の小中学生や市民が参加。遠くは広島県尾道市からの参加もあった。和気あいあいの中、阿波木偶の操りを楽しんでいただいた。
(円通寺と交流)
 
7月28日、鳥取県の円通寺識字学級のみなさんと芝原で交流した。以前は、円通寺人形芝居を私たちが訪問し、2度目の交流となった。識字学級や人形芝居を通しての縁を大切にしたい。
(新屋英子さんにごあいさつ)
 
8月8日に開催された島根県人権・同和問題を考える県民の集いで、新屋英子・小林育栄さんの二人芝居の前に講演を行った。講演終了時に、舞台袖まで出迎えてくださった新屋さんと小林さんにご挨拶。新屋さんの腰の低さは、周りのスタッフをも魅了する。
(8~9月の主な講演会)

8月 2日…香川県人教夏期研修
   5日…霧島市隼人町(鹿児島)講演
   8日…島根県県民の集い講演
  10日…加東市(兵庫)講演
9月 5日…熊本市講演(国際交流館)
   6日…福山市(広島)講演(深津コミセン)
   7日…福山市(広島)講演(熊野小学校)
  23日…香南市(高知)講演(野市ふれあい)
  25日…亀山小(三重)講演(同校)
(8~9月の主な行事)
8月28日…箱廻し伝承教室
            (阿波市久勝公民館)

2006年7月(先行してのお知らせ)
*10月22日 「第18回むつみ祭」開催予定
*2007年1月20日
  リバティーサロン「新春の祝福芸ー
  えびす舞いと春駒」(リバティおおさか)
*2007年1月27・28日
国立劇場第106回民俗芸能公演「阿波の芸能」
に出演予定。(東京)
(人権のまちづくりを進める会発足)
 人権が大切にされるまちづくりの活動推進を目的として、賛同する個人で構成しました。先がけて、隣保館で高齢者を対象として、食事サービスを6月21日に行いました。会員は現在15名。若者が中心になっています。随時会員を募集します。
(藍が元気に)
 今年は、気温が上がらず、藍の発酵がおくれ、生活文化学級の皆さんをやきもきさせました。6月下旬から藍がめきめき元気になり、安心しました。おばあちゃんや保育所の5歳児も藍染を楽しみました。お盆前くらいまで元気で楽しませて欲しいものです。
(あじさい咲く山里で三番叟)
 つるぎ町一宇(中内の出身地)久藪地区の阿弥陀堂では、あじさいの花が満開。6月18日に、
「あじさい祭」が開かれ、三番叟舞わしを披露。この催しは、過疎化が進んだふるさとに、出身者が家族を連れて帰省できる場作りとして、地域の人々があじさいを� inserted by FC2 system